心理的負荷による精神障害の認定基準(基発1226第1号 平成23年12月26 日)「第5 精神障害の悪化の業務起因性」の改定を求める意見書

  過労死弁護団全国連絡会議は、2017年7月11日、厚生労働省あてに、認定基準の,精神障害の悪化の業務起因性の改定を求める意見書を提出しました。(過労死110番 ホームページ参照)  

 

 この意見書は、 現在の認定基準が「特別な出来事」に該当する出来事がなければ、対象疾病が悪化し た場合に業務上の疾病とは扱われないことになっていることについて、「特別な出来事」に該当する出来事がない場合には、一切業務起因性が否定されるのは不合理であるとして改定を求めるものです。

 

 この意見書は、アピコ関連事件・名古屋地裁平成27年11月18日判決、これを不服として国が控訴した同事件・名古屋高等裁判所平成28年12月1日判決をもとにしています。  

 

 いずれも当職らが原告代理人として関わった訴訟です。

 

 国は、上記高裁判決に上告受理申立をしませんでした。  

 厚生労働省は、速やかに認定基準を改定し、認定の在り方を考えなおすべきです。

 

 以下全文を掲載します。


 

意見書

 

厚生労働大臣 塩 崎 恭 久 殿

 

                   過労死弁護団全国連絡会議

 

                    代表幹事 弁護士  岡 村 親 宜

 

                       代表幹事  同   水 野 幹 男

 

                  代表幹事  同   松 丸   正 

 

                    幹事長   同   川 人   博 

 

 平成29年7月11日

 

 

 

 心理的負荷による精神障害の認定基準(基発1226第1号 平成23年12月26 日)「第5 精神障害の悪化の業務起因性」の改定を求める意見書を、下記のとおり、提出する。

 

                  記

 

第1 意見の趣旨

 

  心理的負荷による精神障害の認定基準(基発1226第1号 平成23年12月26日)(以下「認定基準」という。)「第5」につき、

 

 「精神障害の悪化の業務起因性」を認める要件として、「特別の出来事」を要するとしている内容を改め、精神障害の悪化前に業務による強い心理的負荷が認められれば、悪化につき業務起因性を認めることとするよう、改正を求める。

 

第2 意見の理由

 

1 現在の認定基準が不合理であり、憲法、法律の趣旨に反する

 

  現在の認定基準は「特別な出来事」に該当する出来事がなければ、対象疾病が悪化した場合に業務上の疾病とは扱われないことになっている。

 

  しかし、労災認定で問題になっている事案では、「特別な出来事」に該当する出来事がない場合でも、発病について業務起因性が認められるような強い心理的負荷を受け、その結果精神障害が悪化した場合もある。発病したら業務上と認定できるほどの強い心理的負荷があって、精神疾患が悪化した場合に、発病した後であったからといって業務起因性が否定されるのは不合理である。

 

  そもそも、現行の精神障害に関する労災認定基準が、一方で、精神障害を発病していない労働者に対して、「強」の業務上心理的負荷が加わって精神障害が発病した場合には、業務起因性を肯定し労災保険金を給付するとしながら、他方で、精神障害を発病している労働者に対して、同様の「強」の業務上の心理的負荷が加わって精神障害が悪化した場合には、業務起因性を否定し労災保険金を給付しないとしていることは、憲法14条1項、憲法27条、及び障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)第7条の趣旨に反している。

 

  すなわち、憲法第14条1項は、すべて国民は、法の下に平等であって、社会的身分等により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない旨規定している。上記認定基準の上記該当部分は、精神障害を有することを理由にして、労災保険給付という経済的・社会的関係において、差別を行うことを意味しており、憲法の同条項に違反する内容となっている。

 

  また、憲法27条1項は、「すべて国民は勤労の権利を有し、義務を負ふ」と定めている。豊橋労基署長(マツヤデンキ事件)・名古屋高裁平成22年4月16日判決は、「労働に従事する労働者は必ずしも平均的な労働能力を有しているわけではなく、身体に障害を抱えている労働者もいるわけであるから、仮に、被控訴人の主張が、身体障害者である労働者が遭遇する災害についての業務起因性の判断の基準においても、常に平均的労働者が基準となるというものであれば、その主張は相当とはいえない。このことは、憲法27条1項が『すべて国民は勤労の権利を有し、義務を負ふ。』と定め、国が身体障害者雇用促進法等により身体障害者の就労を積極的に援助し、企業もその協力を求められている時代にあっては一層明らかというべきである。」と判示し、身体障害者について本人を基準に業務過重性の判断をすると明示した。この判決は、労働に従事する労働者は必ずしも平均的な労働能力を有しているわけでないから、これを考慮しない労災の認定基準は憲法27条1項の趣旨に照らして相当でない旨判示しているのである。 労働者の中には「精神障害を発病している労働者」もいるのであるから、その者に平均的労働者であれば精神疾患を発病するような「強」の業務上の心理的負荷が加わった場合にも業務上と認めず、労災給付金を給付しないのであれば、このような者が労災補償を受けることができないことを前提に勤務しなければならず、憲法27条1項に照らして問題である。

 

  さらに、憲法27条2項は、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と規定し、労働条件について法律で基準を設定することを要請している。「精神障害を発病している労働者」にほとんど労災の給付をしないというのであれば、勤労条件の法定を定めた憲法27条2項の趣旨にも違反する。

 

  さらに、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)第7条は、「行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない」と規定している。同条の趣旨からすれば、障害者の範囲は幅広く解すべきであり、上記認定基準の上記該当部分は、この法律の趣旨にも違反している。

 

  このように現行認定基準が、精神障害の悪化の業務起因性が認められる場合を「特別な出来事」があった場合にのみ限定し、「強」の心理的負荷が認められても、精神障害の悪化の業務起因性を否定することは、憲法14条1項、憲法27条、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の趣旨に違反するものである。

 

2 現在の認定基準には合理性がない、という判決が確定していること

 

  アピコ関連事件・名古屋地裁平成27年11月18日判決は、「前記認定基準によれ ば、健常者であれば、(「特別な出来事」以外の)精神障害の発症及びそれによる死亡の危険性が認められるような心理的負荷の強度が「強」と認められる出来事があった場合には、業務起因性が認められることになるのに対し、既に精神障害を発症している者については、発症後、死亡前6か月の間に同様の心理的負荷が生じる出来事があっても、既に精神障害を発症しているという一事をもって業務起因性は否定されることになる。しかし、このような判断が精神科医等の専門家の間で広く受け入れられている医学的知見であるとは認められず(甲B38の1・5~9頁(引用者注:判決が引用している 証拠は第5回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会議事録の後半部分である。)、既に精神障害を発症している者に、健常者でさえ精神障害を発症するような心理的負荷の強度が「強」と認められる出来事があった場合であっても、『特別な出来事』がなければ一律に業務起因性を否定するということには合理性がないというべきである。」と判示し、認定基準を批判している。

 

  これを不服として国が控訴した同事件・名古屋高等裁判所平成28年12月1日判決は、「認定基準は、上記別表(認定基準の別表1〔業務による心理的負荷表〕)に掲げられ客観化された各出来事のうち『特別な出来事』に該当する出来事がない場合でも(略)その心理的負荷の評価が『強』と判断される場合を, 労働者に生じた精神障害を業務上の疾病として扱う要件の一つとしている(証拠)。そうすると、その心理的負荷の評価が『強』と判断される業務上の『具体的出来事』(略)は、労働者の個体側要因である脆弱性の程度にかかわらず、平均的な労働者にとって、業務による強い『心理的負荷』であり、精神障害を発病させる危険性を有すると認められるのであるから, 既にうつ病を発病した労働者にとっても、当該『具体的出来事』自体の心理的負荷は『強』と判断されるはずである。」「認定基準が、健常者において精神障害を発病するような心理的負荷の強度が『強』と認められる場合であっても、『特別な出来事』がなければ一律に業務起因性を否定することを意味するのであれば、このような医学的知見が精神科医等の専門家の間で広く受け入れられていると認められないことは、補正して引用した原判決が説示するとおりであり、上記のような疑問あるいは『特別な出来事』がなければ一律に業務起因性を否定することは相当ではないとの考え方は、認定基準の策定に際しての専門検討会での議論の趣旨にも合致すると解される。」と判示し、同様に専門検討会の議論を踏まえて認定基準を批判している。

 

  ちなみに、同名古屋高裁判決理由では、2人の国側精神科医の意見(うつ病悪化事案では脆弱性が強いから健常者と同様に評価することはできない等)との意見を、明確に排斥している。

 

  この判決に対し、国は上告、上告受理申立をせず、確定している。認定基準の「特別 な出来事」がなければ業務起因性を否定するという判断の基準が不合理であることは明白である。

 

3 「特別な出来事」がなければ業務起因性を否定することは相当ではないとの考え方は、専門検討会での議論の趣旨に合致すること

 

  精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会の第5回の検討会(平成23年4月1 4日開催)において、岡崎座長は「今日のところは発病後にも心理的な負荷が非常に強い、ないしは極度の出来事があった場合には業務上であると認めるということでは、先生方のご意見は大体一致したのではないかと思います。」として、発病の際に認定に必 要な非常に強い心理的負荷、ないしは極度の出来事があった場合には業務起因性を認めてよいと議論をまとめている。

 

  名古屋地裁平成27年11月18日判決が、上記のように認定基準について「このような判断が精神科医等の専門家の間で広く受け入れられている医学的知見であるとは認められず」としたのは、第5回の専門検討会の議事録のこの部分を指摘している。名古 屋高裁平成28年12月1日判決は、「上記のような疑問あるいは『特別な出来事』がなければ一律に業務起因性を否定することは相当ではないとの考え方は、認定基準の策 定に際しての専門検討会での議論の趣旨にも合致すると解される。」として、「特別な出来事」がなければ業務起因性を否定することが相当ではないことは、専門検討会の議論と合致すると指摘しているのもこの部分の指摘を示している。

 

  専門検討会においてなされた議論を踏まえれば、「特別な出来事」がなければ業務起 因性を否定するような認定基準は不合理である。上記判決はそのことを指摘しているのであり早急に改正が求められている。

 

 

 

第3 結論

 

 国は、上記名古屋高裁判決に対し、上告、上告受理申立をしなかったのであり、この内容に即して、直ちに認定基準を改正すべきである。

 

 なお、本論点を含め、精神障害・自殺に関する認定基準全般について、当弁護団は、平成21年11月18日付意見書(「判断指針」から現行「認定基準」に変わる前の段階)に貴省に対して意見書を提出しているので、それらも参照されたい。

 

以上

 

平成28年度過労死等の労災認定件数発表

 2017年6月30日、平成28年度の過労死等の労災補償状況が厚生労働省から発表されました。

 厚生労働省の発表を見ていきます。

 まずは脳・心臓疾患について、以下引用します。

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1  脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

 

(1) 請求件数は825件で、前年度比30件の増となった。 P 3 表1-1】

 

(2) 支給決定件数は260 件で前年度比9件の増となり、 うち死亡件数も前年度比11件増の107件であった。 P 3 表1-1】

 

(3) 業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業,郵便業」212件、「卸売業,小売業」106件、「製造業」101件の順で多く、支給決定件数は「運輸業,郵便業」97件、「製造業」41件、「卸売業,小売業」29件の順に多い。   P 4 表1-2】

 

業種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業,郵便業」のうち「道路貨物運送業」145件、89件が最多。 P5 表1-2-1、P6 表1-2-2】

 

(4) 職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」187件、「販売従事者」97件、「サービス職業従事者」93件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」90件、「専門的・技術的職業従事者」30件、「生産工程従事者」27件の順に多い。  P 7 表1-3】

 

職種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」178件、89件が最多。 【P8 表1-3-1、P9 表1-3-2】

 

 

 

(5) 年齢別では、請求件数は「5059歳」266件、「4049歳」239件、「60歳以上」220件の順で多く、支給決定件数は「5059歳」99件、「4049歳」90件、「3039歳」34件の順に多い。 【P10 表1-4】

 

(6) 時間外労働時間別(1か月又は2~6か月における1か月平均)支給決定件数は、「80時間以上~100時間未満」106件で最も多く、「100時間以上」の合計件数は128件であった。 【P13 表1-6】

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 支給決定数とは、要するに、労基署が過労死等と認めた件数です。

 支給数、死亡支給数とも減っていません。

 運送業、特に運転手が大変だということがわかります。

 それから、長時間労働で病気になっている人がたくさんいることが分かります。

 

 次に精神障害についてみていきます。

 

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2  精神障害に関する事案の労災補償状況

 

(1) 請求件数は1,586件で前年度比71件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比1件減の198件であった。【P15 表2-1】

 

(2) 支給決定件数は498 件で前年度比26件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比9件減の84件であった。【 P15  表2-1            

 

(3) 業種別( 大分類)では、請求件数は 「医療,福祉」302件、「製造業」279件、「卸売業,小売業」220件の順に多く、支給決定件数は「製造業」91件、「医療,福祉」80件、「卸売業,小売業」57件の順に多い。【 P16  表2-2

 

業種別(中分類)では、 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の 「医療,福祉」のうち 「社会保険・社会福祉・介護事業」167件、46件が最多。 P17 表2-2-1、P18 表2-2-2】

 

(4) 職種別(大分類)では、請求件数は 「専門的・技術的職業従事者」361 「事務従事者」307件、 「販売従事者」220件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」115件、「事務従事者」81件、「サービス職業従事者」64件の順に多い。 【P19 表2-3】

 

職種別(中分類)では 、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」198件、47件が最多。 P20 表2-3-1、P21 表2-3-2】

 

(5) 年齢別では、請求件数は「4049歳」542件、「3039歳」408件、「5059歳」295件、支給決定件数は「4049歳」144件、「3039歳」136件、「2029歳」107件の順に多い。【P22 表2-4】

 

(6) 時間外労働時間別(1か月平均)支給決定件数は、「20時間未満」が84件で最も多く、「160時間以上」が52件であった。 【P24 表2-6】

 

(7) 出来事(※)別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」74件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」63件の順に多い。

 

 

 

※「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの P26 表2-8】

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  請求件数がさらに増えています。

  自殺の件数は減りましたが全体の認定件数は増えています。

 

  専門的・技術的職業従事者が多いのが特徴です。

  

  時間外労働ですが「20時間未満」が最も多いのが印象的です。

  出来事別の支給決定件数は、ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた が多くなっています。

  つまり長時間労働よりもパワハラで精神障害になっている場合が多いようです。

  

  一方で160時間以上も52件あり、2番目に多いのも驚きです。

 

 

  裁量労働の件数も発表されました。問題アリと言うことがわかります。

  一方で、これだけ?という印象を持ちました。

  時間管理がなされていれば、もっと多くの認定がなされるのではないでしょか。

 

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3 裁量労働制対象者に係る支給決定件数

(1) 過去6年間で裁量労働制対象者に係る脳・心臓疾患の支給決定件数は22件で、うち専門業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が21件、企画業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が1件であった。 【P27 表3】

 

(2) 過去6年間で裁量労働制対象者に係る精神障害の支給決定件数は39件で、うち専門業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が37件、企画業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が2件であった。 【P27 表3】

 

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 過労死等防止対策推進法が施行されて4年目です。まだこれからということでしょう。

 まずは労災補償されるべきものを労災補償していくなかで、一つづつ対策をしていくことだと思います。

  今まで、発覚していなかったものが発覚しただけで、世の中は確実に進んでいると信じたいものです。

憲法記念日

 今日は、憲法記念日。憲法施行70年です。

 今日から中日新聞の連載で憲法施行70年の特集が始まりました。

 1回目は、マンション建築現場で逮捕された方のことが取り上げられました。

 

 記事にはこうありました。

 

 「「市民の味方」と信じていた警察が必ずしもそうではないと、…」

 

 野党側は、共謀罪により「米軍基地移設や原発再稼働といった政治的な運動が監視され、萎縮させられる危険性を指摘する。」

 

 警察がどう動くかというのは、担当する警察官、或いは警察の考え方できまるようなところがあります。

 そのために権力を縛るためにあるのが憲法。

 

 その権力に濫用の力を与える「共謀罪」は危険です。

 

 これからも憲法に守られるよう、微力ながら考えていきたいです。

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時間外労働の上限規制

 

環境基本法には、次のような条文がある。

 

環境基本法 

 第十六条 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。

 

 これに基づいて定められているのが環境基準である。

 環境については「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」を法律で定めなければならないとなっているのである。(ただし、罰則を設けることを要求していないし、現に環境基準違反に罰則はない。)

 

 労働基準法、過労死等防止対策推進法などには、これまで残念ながら「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」を定めるように求める条文はない。

 

 今回、はじめて時間外労働の上限を法律で規制することが検討されている。しかし、その内容は

「月四十五時間を超える残業時間の特例は年六カ月までとし、年間七百二十時間の枠内で「一カ月百時間未満」「二~六カ月平均八十時間」の上限を、罰則付きで法定化する方針だ。連合の要求で当初案の「一カ月最大百時間」よりは若干修正された。しかし、労災認定基準のいわゆる過労死ラインに相当する働き方を、国が容認するものであることに変わりはない。」と報道されている(中日新聞 2017年3月15日社説より)

 

 今回の時間外労働の上限は、環境基準のような「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」ではない。今回策定されようとしている基準は、そもそもこの時間働いて脳・心臓疾患を発症し、労災と認められ、民事裁判でも企業が過労死を発生さるような安全配慮義務違反が問われるような、明らかな長時間労働の場合には、刑事の罰則もあるといっているだけである。

 

 もちろん、刑事の罰則もあるとしていることは一歩前進である。しかし、時間外労働の上限として定められるべきなのは、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準、という意味では環境基準と同様のレベルのはずである。

 

 脳・心臓疾患の労災認定基準には次のような記載もある。

 

 発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

 

 45時間を超える時間外労働は、脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まるのである。これについては規制するべきである。

 

 経済団体が反対する理由は、経済活動がなりたたなくなる、国際競争力が低下する、などであろう。

 しかし、死ぬかもしれない時間まで働かせることができる法規制のもとで働かせることができる経済活動を放置することはできない。労働基準法には、子どもを働かせてはいけない。出産の前後は働かせてはいけないなどの規制を設けている。どんなに労働に需要があっても禁止するべき労働はあるはずである。いま、求められるのは、過労死するほど長時間労働をさせてはいけないという法規制である。

 

 なお、不十分な上限規制になったとしても、この規制に達しない時間外労働をさせた場合にも労災認定がなされ、安全配慮義務違反の責任が問われる可能性があることは今までと変わらない。上記社説は「労災認定基準のいわゆる過労死ラインに相当する働き方を、国が容認するものである」としているが、これは罰則を科さない、直接規制しないということを意味するのであれば正当である。しかし、民事上の責任を負わないことも含む法規制になってしまうという意味に取られる可能性があり、不正確というべきかかもしれない。

 ただ、今と変わらない、ということは、今と変わらず過労死が発生する、ということであるから、法規制が十分な目的を達成できないことを意味する。

 更に強力な規制を求めたい。 

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1か月85時間の時間外労働と認定された事案が過労死 平成29年2月23日判決の意義

岩井羊一 過労死 報告
報告集会で発言する弁護士岩井羊一

事案の概要

 トヨタ自動車株式会社の2次子会社である会社に勤務していた被災者(当時37歳)が、平成23年9月27日、虚血性心疾患で死亡した。その妻が、半田労基署長に対し労災保険法に基づく遺族補償給付請求等をしたが、半田労基署長は平成24年10月15日付で不支給決定をした。妻さんは原告となって、名古屋地方裁判所に、この支給決定の取消しを求め提訴したが、1審判決は平成28年3月16日、原告の請求を棄却する判決(以下「原判決」という。)をした(裁判所ホームページ)。

 

 名古屋高等裁判所(藤山雅行裁判長、前田郁勝裁判官、金久保茂裁判官)は、平成29年2月23日、原判決を取消し、半田労基署長の不支給決定を取り消す判決をした。この判決は同年3月9日の経過により確定した。

 半田労基署長は、遺族年金等の支給を決定しなければならない。

 

 この事件は労災申請段階は、水野幹男弁護士が担当し、訴訟になってからは水野幹男弁護士と当職が担当した。

 

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愛知県の県立高校の先生の過労死

先生 教師
写真はイメージです。

 2017年3月1日、愛知県立岡崎商業高校の先生が校内で倒れて亡くなった事件について、名古屋地方裁判所で判決があり、公務外決定が取り消されました。公務災害と認められ、いわゆる過労死だったと判断されたのです。

 

 名古屋第一法律事務所の田原裕之弁護士、福井悦子弁護士、森田茂弁護士、水谷実弁護士が担当されました。(愛知の県立高校の教諭の過労死を認める判決 名古屋第一法律事務所のブログ

 

 岡崎商業高校は、私が高校まで住んでいた岡崎市にある高校です。中学の同級生には進学した人もいたと思います。そんな地元の高校でこのようなことが起きたのはとても残念なことです。亡くなったかたは、2009年に42歳だったというのですから、私とほぼ同年代の方。

 

 報道によると、判決は、亡くなるまでの1か月の時間外労働は少なくとも95時間と認定。その上で、仕事の質について「生徒の資格取得に直結する直結する授業や部活の顧問を受け持った上、亡くなった月には資格検定の受験指導や体験入学の準備作業で、精神的負担が大きかった」などと判示したようです。

(中日新聞2017年3月2日朝刊)

 

 地方公務員である県立高校の教諭の場合、なくなった場合にそれが公務による死亡かどうかは、地方公務員災害補償基金(地公災)が判断します。地公災が、公務災害と認めれば、ご遺族に年金又は一時金が支払われます。

 脳心臓疾患については、「心・血管疾患及び脳血管疾患の公務上災害 の認定について 」という基準が定められています。

 

 長時間労働については、

 「発症前1か月程度にわたる、過重で長時間に及ぶ時間外勤務(発症日から起算して、週当たり平均 25 時間程度以上の連続)を行っていた場合」 
   「 発症前1か月を超える、過重で長時間に及ぶ時間外勤務(発症日から起算して、週当たり平均 20 時間程度以上の連続)を行っていた場合」

 とされています。

 

 民間の場合の認定基準は、「発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること」とされていることと比べると厳しめの基準となっています。

 

 裁判では民間の認定基準も参考にされたようです。

 

 認定基準はあくまでも公務災害、労働災害を迅速に判断するための基準であり、この基準に当てはまらない場合も労災、公務災害が否定されるわけでありません。

 

 判決は、時間外労働の他、公務の質的過重性も認めています。

 いまも多くの先生が、長時間、過密な労働をされていると思います。また、新聞報道によれば、10年以内に校内で倒れた5人が過労死と疑われると言われています。

 

    愛知県では、教員の多忙化解消プロジェクトチームが立ち上がり、平成28年11月には、「教員の多忙化解消に向けた 取組に関する提言 」が作成されています。

 その中では次のような記載があります。

 

 「県が実施している平成 27 年の「在校時間の状況調査」の結果に よると、小学校で 10.8%、中学校で 38.7%、高等学校で 14.0%の教員が、正規の 勤務時間以外で、80 時間を超えて在校している実態である。特に、中学校におい ては、20.7%の教員が 100 時間を超えて在校しており、教員は多忙を極めている状 況にある。(※在校時間:正規に割り振られた勤務時間以外に従事した時間) 」

 

 先生はいつ過労死してもおかしくない状況の中で働いています。この判決が、愛知県の、全国の先生の働き過ぎを改革する一つのきっかけになればいいと思っています。

 

 判決全文は裁判所ホームページに掲載されています。

 平成29年3月1日判決言渡

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「背景に効率化追求」中日新聞にコメントが載りました。

バイト欠勤に罰金 書類送検 弁護士岩井羊一
2017年2月23日中日新聞夕刊

2017年2月23日、中日新聞の夕刊に私のコメントが載りました。

 

同日、名古屋市北区のコンビニエンスストアの経営者が、アルバイトに対し、急な欠勤をした場合に罰金を支払うという労働契約を結んだことについて、愛知県警は、労働基準法違反の疑いで書類送検されたことが報道されました。

 

新聞記者の方に取材を受け、人件費が安いアルバイトを中心に運営しているのではないか。経営を過度に効率化させようとする姿勢がが背景にあるのではないかと指摘しました。

 

契約をしても許されないものがあること。大きく報道されることで、不合理な契約をさせられている人が、労働基準法違反だと声を上げることができるといいとおもいます。

 

こうした事件があったときに、大きく報道されることで欠勤に罰金を科してはいけないことについて、注意を促すことになればいいと思います。

 

もちろん刑事事件は疑わしきは被告人の利益にです。この経営者が有罪かどうかはわかりません。

しかし、報道にあるように、急な欠勤をした場合に罰金を支払うという労働契約をしたとしたら、労基法16条に違反します。

 

アルバイトで不合理な取扱を受けていると思ったら、ブラックバイト弁護団に相談してはどうでしょうか。

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電通 遺族と合意の意味するところ

 2017年1月20日、電通の社員で過労自殺として労災とみとめられた高橋まつりさんのご遺族と、電通の間で合意がなされたと報道されました。

 

 注目していたのは、一つは電通が、法的責任を認めて、ご遺族の納得するように謝罪するか。

 

 もう一つは、電通が、ご遺族が納得できるような再発防止のための対策を約束するか。

 

 でした。

 

 この事件ように過重な労働が明白であれば、会社は労災補償責任だけでなく、労働契約法の安全配慮義務に違反し、民法上の債務不履行責任や不法行為責任を負うことは明白ではないかと考えられます。

 

 そのような場合に、電通が、責任を認めて謝罪をするのか、法的責任の有無は裁判所の判断に委ねるかのような不遜な態度を取るのか、それは、今後の再発防止の可能性とも大いに関係があるところです。

 

 電通は、謝罪し、法的責任があることを前提とした慰謝料等の解決金を支払うことを約束したので、ご遺族は合意したのでしょう。

 

 再発防止ですが、電通が、企業ぐるみで長時間労働をしていたのであれば、いきなり時間を短縮するとしても仕事が回らなくなり、人を増やすか、仕事を減らすかする必要があります。その規模は相当なものになります。本当にそのことを覚悟して和解したのでしょうか。仕事を効率化することで長時間労働を減らせるなどという、小手先の対策を考えているだけではないかが心配です。

 

 この点、電通は今後、再発防止策の実施状況について年1回、遺族側に報告することを約束した,と報道されています。ご遺族は、このように、今後も再発防止について、意見を述べることができる約束をしたから、つまり、今後も監視をしていくことを前提に合意をしたのでしょう。

 

 高橋さんの言葉が胸に刺さります。

 

 「会社との合意には至りましたが、会社側がどんなに謝罪を述べたとしても、再発防止を約束したとしても、娘は二度と生きて帰ってくることはありません。」

 

 

 

 

 「娘や、これまで過労で亡くなった多くの人たちの死を無駄にしないためにも、日本に影響力のある電通が改革を実現してほしいと思います。」

 

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「希望の裁判所」「法服の王国」

裁判所 市政資料館
名古屋市政資料館(旧名古屋高等裁判所)

 年末年始に、日本裁判官ネットワークの「希望の裁判所」を読みました。また、この本に寄稿している黒木亮さんの「法服の王国」を読みました。

 

 法服の王国という小説は、少し前に話題になっていたのですが、手に取ることはありませんでした。今回「希望の裁判所」を読んで、そこに黒木亮さんが寄稿されているものを読んで興味を持ち、読んでみることにしました。

 

 「希望の裁判所」は、裁判官が書いたもので興味深いものでした。

 私が弁護士になったのは1995年でした。そのときから比べるとこの20年の間に裁判所は大きく変わりました。その変化の過程が、日本裁判官ネットワークに所属する各裁判官、元裁判官の視点からまとめられています。興味深いものになっています。

 

 ただ、複数の裁判官の「論文集」となっていて、正直言って読みにくい。

 

 それはともかく、少し違和感のある意見もありました。

 

   現在の法曹養成制度の現実についてです。現在の法曹養成の制度と弁護士の人口増に問題があることは、法曹関係者としては認めざるを得ない現実です。法科大学院への志望者、司法試験の受験者が年々減少しているということは、法曹界に魅力が少なくなっているからだといわざるを得ません。

 このことについて,裁判官の仕事に魅力がある、司法の仕事に魅力があると指摘するだけでは問題の解決になりません。何が問題だったか、どうしたらいいのか、この点についての言及がほとんど無いことが残念です。

 

 「法服の王国」は、最後まで面白く読めました。構成や表現がたくみなせいか、一気に読ませ、読了後も気持ちが良い本でした。

 

 すでに、指摘されていることですが、法曹関係のことについて非常の詳しく記載されています。弁護士が読んでも、裁判のこと、弁護士のことについて違和感がありません。詳しく取材し、参考文献も読み込んで書かれています。

 

 原発訴訟の内容については、詳しく知りませんでしたが、主張、立証では完全に国を圧倒していたにもかかわらず、敗訴した歴史が、よくわかりました。裁判官が替わっただけで、違うことは弁護士としても実感していました。この小説では、裁判の中身を詳細に紹介し、尋問のシーンは、訴訟記録を引用しつつ、質問の意図や証人の様子を書き込んでいるのでとても臨場感があります。それ故に、この裁判については、単に裁判官が変わって結論変わるというレベルではなく、国や国政を問題にする裁判は、政治的に結論を決める、という司法の脆弱さが説得的に示されています。

 

 読むときには、裁判官の名前を、パソコンで検索しながら読みました。そうすると、多くの裁判官の名前が実名であることがわかります。作者は、以下のように述べています。

 「僕の書き方のスタイルなのですが、基本的には事実を基にしています。実名部分は一〇〇%事実。仮名部分は一~二割がフィクションです。それは、生の素材のまま描くと、事実でも物語として辻褄が合わない部分が出てくるためです。」

(週刊金曜日)http://blogos.com/article/75743/

 

 弁護士が、判決を言い渡す直前の裁判官の顔色を見て、結論を感じるというのは、弁護士に取材をして書いているのでしょう。「あるある」と思いながら読んでいました。

 

 刑法、憲法の重要判例も取り上げられており、司法試験を目指している法科大学院生が読めば、裁判例がもつ社会的意味なども知ることができると思います。 

                                                                                

 この小説では司法修習22期の裁判官を中心に物語が展開されていきます。その頃の裁判官の任官拒否や、宮本裁判官の再任拒否、平賀書簡問題等が、一部フィクションも付け加えられて物語として語られているところは、法科大学院性や、司法修習生、若い法曹関係者に読んで欲しいと思います。 

 

 過労死の問題も、一時期までは裁判所ではほとんど認めてもらえなかったそうです。

 十分な主張、立証ができた事案でも労災と認めてもらえなかった時期があったそうです。

 

 そこから比べれば、過労死の問題は、その裁判所の扉をこじ開け、国の認定基準を動かし、現在ではさらにその拡大を目指すことができる状況にまで来ていると評価できるかもしれません。

 

 

 


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勝訴しました。

岐阜地方裁判所 平成28年12月22日判決

 2016年12月22日、岐阜地方裁判所(眞鍋美穂子裁判長、杉村鎮右裁判官、足羽麦子裁判官)は、岐阜市役所の職員の遺族が提訴した、地方公務員災害補償基金岐阜県支部長の「公務外処分」の取り消しを求めた裁判において、地方公務員災害補償基金岐阜県支部長の行った公務外処分を取り消す判決を言い渡しました。

 

 原告の勝訴です。職員が亡くなったのは平成19年ですから、亡くなってからは9年目の判決でした。

 

 西濃法律事務所の笹田弁護士、綴喜弁護士が担当していた事件で、途中から私が弁護団から参加しました。

 

 

 


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注目の判決 2016年12月22日 岐阜地裁

過労死等防止対策推進シンポジウム 岐阜
昨年行われた過労死防止対策推進シンポジウム

 今年もあと僅か。

 しかしご本人も弁護団も支援するみなさんもこの判決を聞くまで今年が終わることがありません。

 2016年12月22日 岐阜地方裁判所で言い渡される判決。

 岐阜市の職員が2007年11月に自死した事件。公務災害であると主張してきました。

 公務災害と認められないために訴訟で争ってきました。9年を経ていよいよ判決です。

 多くの傍聴者と判決期日に出席します。

 判決は、法廷で裁判長が言い渡しをして初めて結論がわかります。あと数日。どきどきしながら過ごすことになります。これまで行政手続きでは3回駄目と言われました。もう辛い思いはしたくありません。

 

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勝訴判決確定

裁判所 名古屋 市政資料館 東区 白壁
旧名古屋高等裁判所 現在名古屋市市政資料館

 担当している過労死事件。

 先日、判決が確定した。1審勝訴。控訴審も控訴棄却の事案。

                                                                                                                            確定するかどうかは判決が送達された日から14日(判決の日を含めない。)後の24時を過ぎた時点。翌日裁判所に確認をして、確定を知ることになります。判決の日と同じように、確定するかどうかは、かなり神経質になります。

 

 すでに亡くなってから6年。辛い思い出ですが、仕事が原因だと認められて良かったです。

 

 判決の内容は、裁判所ホームページで公開されています。 

 

 「 夫が自殺したのは過重な業務に起因するものであるとしてした労働者災害補償保険法による遺族補償給付及び葬祭料の支給請求に対し労働基準監督署長がした不支給処分の取消請求につき,前記夫がうつ病を発症したことに業務起因性は認められないが,その後の同人の業務による心理的負荷と,同人のうつ病の増悪により自殺を図り死亡したこととの間に相当因果関係を認めるのが相当であるとして,前記取消請求を認容した事例(なお,参考として原審判決を別紙1として添付した。)。」(裁判所ホームページより)      

 

 

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2016年 過労死等防止対策推進シンポジウム愛知会場行われました!

過労死等防止対策推進シンポジウム行われました。

 11月23日、名古屋市のウィル愛知の大会議室で、厚生労働省主催の過労死等防止対策推進シンポジウムが開催されました。

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過失相殺は不当である。

弁護士ドットコムへのコメント


先日、過労死の損害賠償請求の裁判について、弁護士ドットコムからコメントを依頼された。

 

公務員の「過労自殺」控訴審、遺族が逆転勝訴…裁判で争点となる「安全配慮義務」とは    

https://www.bengo4.com/c_5/n_5343/

 

そこで、言い尽くせなかった判決の意義と問題点についてかいてみた。

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労災保険法の不服申立の手続きが変わりました。

審査請求、再審査請求、提訴に関する手続が変わりました。


 平成28年4月1日、行政不服審査法の改正法が施行され、これにともない労災保険法の改正も施行されました。

 

 過労死、過労自殺などの事案で、審査請求、再審査請求により判断が覆る例は大変少ないのです。

 

 これからは、労働基準監督署長の判断に対する不服申立や、提訴がやりやすくなると考えられます。


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にっしん おやこでロースクール

みんなで判決を考えました。

おやこでロースクール

平成28年 7月24日(日曜日)

開催時間午後1時から3時まで(開始30分前から受付)場所愛知学院大学法科大学院 模擬法廷
(日進キャンパス 図書館情報センター3階)対象市内在住の小学生高学年(4~6年生)とその保護者

 


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名古屋 市バス 事件 高裁で逆転勝訴

 2016年4月21日、名古屋高等裁判所は、2015年3月の名古屋地方裁判所判決を取り消し、公務災害を認める旨の、1審原告の勝訴判決をしました。

 

 この事件は、名古屋市交通局に名古屋市営バスの運転士として勤務していた男性が、2007年6月に、自殺を図り、死亡した事件です。

 

 一審では、原告の請求を退けていました。高等裁判所では証人調べはありませんでした。

 

    名古屋地方裁判所平成27年3月30日判決

 

  そのためどのような結論になるか注目していました。

 

 高裁判決は、「被災者が自死の直前に精神疾患を発症したのは、このような職場環境の下においてであること、本件添乗指導、本件苦情、本件転倒事故の3つの出来事が僅か4か月という短期間に発生していること、殊に、本件転倒事故に関与していないと認識していた被災者において、S及びTによる事情聴取を経て、本件転倒事故に関する警察官の取り調べを受け、実況見分に立ち会うことは、その認識と矛盾する対応をせざるを得なかったという意味で、大きな心理的負荷となったと考えられること等を考慮すれば、被災者がこれらの出来事から受けた負荷は、平均的労働者にとっても強い精神的負荷であったと考えられる。」と判示しました。

 

 お父さんの亡くなってから9年になるがんばりに、ようやく正当な評価がなされました。


過労死等 防止 対策 推進
昨年の過労死防止法推進シンポジウムでも市バスの事件を話していただきました。
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敗訴

 本日、国を相手に労災の不支給処分を争った過労死の事件で、原告の請求を棄却する敗訴判決をうけました。

 2年間頑張ってきた事件でしたので大変残念です。

 

 なくなる1か月前の時間外労働として認定された時間は85時間。

 認定基準では簡単に言うと概ね100時間ないといけないとされています。

 原告は、早朝、残業中の休憩、タイムカード打刻後の仕事などを主張しましたが認められませんでした。そうだとしても、どうして15時間少ないだけで認定できないのか。もちろん、判決は沿う単純ではなく、争点について裁判所なりの見解を示してはいます。

 

 判決文を良く検討して、原因を分析し、今後に活かしたいと思います。

 

 支援して下っている方から勝訴判決を信じて用意していただいた花束をいただきました。

 せっかく用意してくださったものですので受け取りましたが,残念でした。

 

 

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ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟結審

 2016年3月3日、ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟が結審しました。 

 

 ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟は、愛知県に住む被爆者が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律にもとづき、「原爆症」と認定されなかったことについて、国を相手に認定を求め、損害賠償を請求している訴訟です。

 

 今日は結審に当たり、3名の原告が、法廷で意見陳述をしました。原告の3名の皆さんお元気で、それぞれ立派に意見を陳述されました。

 

 判決言渡しは9月14日午前10時と指定されました。 

 裁判が終わったあとに報告集会がありました。

 

 弁護士からの報告の後、3名の原告は、それぞれ報告しました。

 

 結審まで長い時間がかかってしまいました。3名全員の勝訴を願っています。

 

 

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法テラスが利用できます。

 最近、相手方から金銭を請求されているという相談をいくつかうけました。

 

いずれの事件も、生活にも苦労しており支払うのが困難であるという事案でした。

 この場合にも、そもそも、その請求が正しい請求なのか検討する必要があります。支払わなければならないものであっても、相手に分割をお願いする、個人再生をする、自己破産するなど方法はあります。

 

 弁護士費用は事案に応じていただきたいのですが、そういう方は費用を心配して相談にも躊躇している場合があります。

 

 実は、法テラスの民事扶助の制度を使うと、弁護士費用を立て替えてもらえます。分割で返済すれば良く、利息はありません。この制度を知らずに、弁護士費用を用意しなければならないと思って、相談を諦めていたのではないかと思われる方もおられました。

 

 まずは,弁護士に相談していただければとおもいます。そういう方の法律相談は、法テラスから援助を受けて無料で受けることが出来ます。

 

 

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裁判員裁判の意義

  裁判員裁判で有罪になった事件が控訴審で無罪になった事案が報道された。


  だから素人の裁判はいけないのか?

  そんなことはない。裁判員制度になって明らかに裁判は変わった。良くなった。

 殺意のない危険な行為について、起訴されることが少なくなったし、強盗とはいえない軽微な怪我を負わせただけの窃盗事件については、強盗致傷では起訴されず、窃盗事件で起訴されるようになった。

 検察官は、重大事件かどうかを慎重に見極めるようになった。

 責任能力に問題のある事案についても、検察官は簡易鑑定の結果だけを見て起訴していた。しかし、裁判員裁判になってからは起訴前の正式鑑定をすることが多くなった。そして、責任能力に大きな問題があるものは起訴しなくなった。
 
 要するにより適正な起訴がなされるようになった。これだけでも裁判員裁判の意味はある。
 たった1つの事例をもとに、感想的な意見を述べるような報道は辞めてもらいたいと思う。

 ※少なくなったというのは筆者の主観であり、客観的データに基づくものではありません。 
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中間利息の控除5%は多すぎ

 過労死、過労自殺の損害賠償請求の場合、あるいは、交通事故の損害賠償請求の場合に、中間利息を控除する計算をします。将来の収入を現在一括でもらうために、将来収入を得るときまでの利息相当額を差し引いて支払うという考え方です。


 この時、利率は5%で計算するというのが一般的です。また最高裁判所の裁判例です(最高裁判所第三小法廷平成17年6月14日判決)。


 以前の高金利時代は、賠償金をもらって預けたり運用すれば5%以上の利息が付くので、このような考え方は合理的だと考えられます。しかし、現在の低金利時代では、そのような運用は不可能であり、損害賠償請求をする側は、事故に遭わなければ得られた収入に見合った賠償を受けられないことになります。


 そこで、中間利息は年3%だと主張し、そのような判決が地裁、高裁でも出されたことがあります。


 しかし、平成17年の最高裁判所の判決は、次のような理由で、5パーセントだと判断しました。損害賠償額の算定には法的安定性及び統一的処理が必要とされる。事案ごと、裁判官ごとにに判断が別れることが防げる。被害者相互間の公平の確保、損害額の予測可能性による紛争の予防も図れる。


 亡くなってしまった人の将来得られる収入や、後遺障害をうけた人が、事故に遭わなかったら得られた収入を計算することは、そもそも難しく、一定の計算で行わざるを得ません。

 しかし、将来得られるものを現在に引き直すために、いつも5%だと計算するのは不合理です。


 いつも、相談者、依頼者の方に説明するときになぜ5%であるのかという説明で私自身が、戸惑ってしまいます。最高裁判所のいいかたも、結局、一旦法律で決めたから,としかいいようがありません。いまは5%で運用なんてできないけど、そうやって計算するというのが判例です。と説明をしています。最高裁の判例がある以上、法律の解釈でこれを覆すのは困難です。ならば法律を改正するほかありません。


 この点、今後、民法の改正が予定されています。法律で今より低い利率での中間利息の控除が定められ、今より損害賠償額が増額される可能性が指摘されています。 

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愛知労働大学

 本日は、愛知労働大学(労働法コース)「職場のハラスメントとメンタルヘルス」という題で講義をさせていただきました。

 午後6時45分から8時45分までの長時間。熱心に聞いていただきました。

 

 セクハラ、パワハラの意味。

 安全配慮義務とは何か。

 そして、現実にパワハラで裁判になった例を紹介しました。

 

 本日強調したかったのは、ハラスメントは本当に難しい問題ですが、放置していると大変なことになる。特にメンタルの問題になると大変であり、メンタルの問題は自殺の危険もあり、命の問題でもあるということです。


 実際に争いになり、裁判になったときにどれだけ不幸な事態になるのか。

 それぞれの職場で、使用者側も、労働者側もいろいろな言い分があるでしょう。しかし、難しいからといって放置していると大変なことになる。

 そんなお話をしました。

 紹介した裁判例。どれも、あらためて紹介すると悲惨な例です。

 

 参加された方は、いろいろな立場で現実にそのような問題に直面している方だとおもいます。今後、さらに問題を深めていただき、日々の現場に活かしていただければと思います。


 現場では、メンタルヘルス不全になった方の職場復帰の問題等も深刻だと思いますが、本日は取り上げませんでした。又の機会にお話ししてみたいと思います。

 

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過労死等防止対策推進シンポジウム

過労死等防止対策推進シンポジウム

 過労死等防止対策推進法が施行されてまもなく一年。

 今年は、厚生労働省の主催で過労死防止対策推進シンポジウムが行われます。

 

 過労死弁護団全国連絡会議も協力しています。

 後援は、愛知県、名古屋市、そして愛知県弁護士会。

 

 昨年は過労死を考える家族の会が主催し、愛知労働局、愛知県、名古屋市、弁護士会の後援でしたが、今年は、厚生労働省自らが主催します。

 

 愛知では、精神科医の粥川裕平医師をおよびし、講演をしていただきます。

 

 家族の訴えをしてもらいます。

 

 そして、パネルディスカッションは過労死弁護団全国連絡会議の共同代表水野幹男弁護士がパネラーとなり過労死に関わる問題を取り上げます。

 

 会場は250人入れる会場です。事前申し込みをいただくことになっています。

 

 

 

そして、こちらのURLに注目です。

https://www.p-unique.co.jp/karoushiboushisympo/

全国29か所でこの過労死等防止対策推進シンポジウムが行われるのです。チラシができ、ホームページが開設されました。

 

 こういう有意義なシンポジウムを厚生労働省が主催で行うことができて、法律ができて本当によかったです。当日は、マスコミの皆さんにも取材してもらい、会場のかた以外の多くの方に、過労死が問題になっていることを知ってもらいたいですね。そして、過労死が問題であることを多くの方に知ってもらい、働きすぎのない社会を作りたいです。

 

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奥西勝さん逝く

 10月5日、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんが亡くなりました。89歳。死刑囚のまま、再審開始が認められないままでした。

 

 私は、弁護団ではなく、周囲の弁護団の方のお話を聞いたり、映画、本などでその内容を見た経験ですが、奥西勝さんは無罪だと思ってきました。

 

 奥西さんを無罪だと考えた裁判官もいます。一審判決をだした裁判所。そして、2005年再審開始決定を出した裁判所。裁判所は3人で構成されるから6人の裁判官が無罪だと考えたのです。

 

 それにもかかわらず、死刑判決が確定し、再審への道が開かれないのは、検察官が控訴などの不服申立の権利があるからです。

 

 英米法では、検察官に控訴する権利はありません。

 この点、日本国憲法39条は次のように定めています。

 

 第三十九条  何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。


 無罪とされた行為について刑事上の責任を問われないというのであれば、一度無罪になった場合には、もう有罪にできないというのが憲法の定めのようの考えられます。日本の憲法はアメリカの憲法を参考にしていると言われているので、このような考え方も十分に成り立つはずです。


 しかし、最高裁判所は、昭和25年に、1審判決で無罪となったことは、同じ事件のなかの一つの判断で、憲法39条の「無罪とされた行為」ではないとして憲法に違反しないと判断しました。

 このため、日本ではいままで検察官控訴が認められてきたのです。

 もし、検察官控訴が禁止されていれば、奥西さんは無罪で終わっていたはずです。

 

 検察官控訴が禁止されると、裁判官の誤った判断で、有罪の人を逃してしまうのではないかとという批判があると思います。でも、はじめから、検察官控訴が認められない制度をつくっておけば、検察官は1審限りだと起訴するための捜査もしっかり行うことになり、また1審の公判活動も真剣に取り組むようになるはずです。それでも有罪にできない場合は、冤罪の可能性が高かったと考えるべきです。

 

 冤罪を生まない一つの方策として、検察官控訴の禁止を法制度化すべきです。

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憲法はあなたのためのものじゃない

憲法はあなたのためのものじゃないまもり護って国の礎
岡山弁護士会会長のコメント

 岡山弁護士会の会長が安保法案について、コメントしました。

 

 安保法案を提出した安倍内閣、これに賛成全ての国会議員対する会長のコメント

 

憲法はあなたのためのものじゃない

 

 

 インパクトのあるコメントですね。

 

 

 愛知県弁護士会も声明を発表しています。

 愛知県弁護士会の声明はこちらです。

「安全保障関連法案の採決に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」

 

 コメントはありませんが、怒りが伝わってくる声明です。

 各地で、法を廃止するための声が上がっています。

 

 選挙にこの怒りをもち続けたいですね。

 

 ところで、憲法の第八十一条は、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」とありますから、 裁判を起こして、裁判所に「憲法に適合するかどうかを決定」してもらいたいと考えて裁判を起こした方がいました。

 

 しかし、最高裁判所は、かつて警察予備隊違憲訴訟において、このような裁判は起こせないとこれを否定しました。憲法の解釈として、日本の裁判所は、具体的な事件について判断するときに憲法に反する法律かどうかを判断できると考えられてています。なんの事件もないのに、安保関連法が、憲法に適合するかしないか決めてください、という裁判はできないと考えられているのです。

 

 考えられるのは、たとえば、実際に自衛隊が集団的自衛権の行使のために行動する際に、私たちが平和的生存権を侵害されたと主張すること。あるいは、実際に違憲の法律によって命令をされた当事者がその命令を拒否したために処罰されたときに、この処分を争うなど具体的な権利の侵害を想定して、裁判をすることが考えられます。

 

 どうして、裁判所が、そんな限られた場合にしか憲法判断ができないと考えれているか。それは、裁判所も国家権力だからです。しかも、裁判官は、選挙で選ばれたわけではありません。だから、具体的に事件が起きた時にだけ憲法に違反するかどうかを判断させることにし、何でもかんでも間口は狭くして、暴走することをとどめているのだと理解されているのです。

 

 もちろん、これは一つの考え方です。国会のほうがより信用できないのだから、積極的な憲法違反を判断する裁判所をつくったほうがいい、という考え方も成り立ちます。そのような制度をとる国もあります。しかし、今の憲法は、そのような制度を認めないと理解されていますから、憲法の改正が必要でしょう。

 

 これだけの反対の声が上がっているのですから、裁判所を頼るまでもなく、国会で廃止するのが筋でしょう。これからの選挙でそのようなことができる国会議員の構成になってほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「おかしいだろ、これ。」

新潟県弁護士会 平哲也会長のコメント

新潟県弁護士会の会長のコメント おかしいだろ、これ。
新潟県弁護士会のホームページより

 9月19日、未明。

 安保関連法案が強行採決されました。

 これに対し、発せられた新潟県弁護士会の平哲也会長のコメントが話題になっています。

 たった1行。

 たった10字。

 コメントの本文は

 

「おかしいだろ、これ」

 

 表題に「安全保障関連法案の強行採決についての会長コメント」とありますから、何のことかはわかります。

 

 もちろん、新潟県弁護士会会長の声明は、別にきちんと「安全保障関連法案の採決強行に抗議し、同法の廃止等を求める声明」として、掲げられており、これにあわせて、コメントが付されているのです。

 

 最初に知ったのは、フェイスブックで、新潟県弁護士会の副会長さんが紹介しているのを見たからです。とても、元気が出ました。それからネットで新潟県弁護士会のホームページを確認しました。さらにツイッターやネットを見てみるとすでに大変な話題に。私もフェイスブックでシェアし、ツイッターでつぶやきました。

 

〇いいところ その1

 短い

 

 簡潔ですぐに頭に入ってきます。それは、短いだけでなく的確に思いを表していることばをえらんでいるからです。

 安保関連法案が、強行採決された、悔しさ、怒りをひとことで代弁してくれました。

 

 

〇いいところ その2

 早い

 

 19日にすぐに発表している。正直、法案が強行採決され、がっかりしていたところに、このコメント見て、元気をもらいました。

 

〇いいところ その3

 弁護士会長のことばであること

 

 新潟県弁護士会の会長の公式コメントです。新潟県弁護士会のホームページにしっかり載っています。

 一市民、一弁護士が、コメントしてもそれほどインパクトはありません。

 でも、新潟県弁護士会の代表である会長のコメント。

 これには重みがあります。

 弁護士会の会長が、

 「おかしいだろ、これ。」

 といっている。これにはインパクトがあります。

 

 その後も、ツイッター、フェイスブックで広がり、法曹関係者だけでなく、多くの一般の人も見ています。国会議員もツイッターでリツイートしていました。ネットのニュースや、新聞社のサイトでもとりあげています。

 声明や、コメントは、普通声明を読んでもらいたい相手方に送ります。今回のような声明やコメントであれば総理大臣や衆議院参議院の議長などに送ります。新潟県弁護士会はさっそくFAXで送付したと報道されています。でもやはり、多くの人にも読んでもらいたです。人の目を引くコメントは大成功だと思います。

 

 すばらしいコメントを発した平哲也会長に敬意を表します。

 そして、私も、安全保障関連法案の強行採決について、あらためて言います。

 

 「おかしいだろ、これ。」

  

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これからだ。

 本日未明安保法案が成立しました。

 許せません。

 しかし、この法案が今日までずれたのは多くの市民が反対したからです。そして、この反対運動はけっして無駄ではありません。

 私の加入する愛知県弁護士会、そして、全国の弁護士会、その全国の弁護士の集まりである日本弁護士連合会は、違憲だとして反対しました。

 弁護士会の呼びかけた集会はもちろん多くの集会に市民が参加しました。今まで参加したことがない方もデモに参加しました。

 全国いたるところで、市民が,反対の集会を開き街角に立ちました。

 国会前にたくさんの人が集まって声を上げました。

 とりわけSEALDsの皆さんの働きはすばらしいと思います。

 憲法学者が違憲だと意見を表明しました。

 そして多くの憲法学者がまちで声を上げました。

 多くの大学の有志が声を上げました。

 元内閣法制局の長官も違憲だといいましたがそれだけでなく

 元最高裁裁判官、そして元最高裁判所長官も違憲だと意見を表しました。

 裁判官のOBも声を上げました。

 テレビに出演している俳優や、芸能人のなかにも反対だと発言する人がいました。

 今までにないことが起こりました。

 そして、いま、選挙で賛成した議員を落選させようという声が大きくなりました。


 憲法とはなにか、民主主義とは何か、表現の自由とは何か。あらためて考えました。

 

 安保法を廃止するためにできることをしていきます。

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国会前に行ってきました

 8月30日、戦争法案廃案の行動で国会前行ってきました。

 もっとも、今日、招待された東京での結婚式に出席するついでだったのですが。礼服を着た怪しげな参加者でした。

 

 というわけで、わずか30分程度しか滞在できない予定だったので、国会前まで行くことはできそうもないと考えました。日比谷公園の霞門に向かいました。ここに宣伝カーがあると聞いたからです。ここは、関東の参加者のエリアと指定されているようでした。

 

 東京駅から丸ノ内線に乗ると、デモに向かうような人がばらばらといました。霞ヶ関駅でおりた多くの人は、国会議事堂方向の出口へ向かいました。私は、反対の霞門に向かいました。地下鉄のトイレの前に長蛇の列。これで、地上にはかなりの人がいるなあと思いました。

 

 ボランティアの人が立っていて、こちらの出口のほうがすいていると教えていただき、階段を上がったのですが、階段を上ったところにもう人の群れがありました。そこから移動するためには、人かき分け、かき分け歩かなければならない状態。それが、厚生労働省の前、日比谷公園の周辺の歩道、日弁連の前の歩道。ずっと続いているのです。これが国会前までずっと続いているのではないかと思われるほどの人でした。

 

 霞門の宣伝カーではスピーチがありました。わたしがきいたのは、芸人9条の会を作った古今亭菊千代さん。雨宮処凜さん、落合恵子さん、香山リカさん。そのあたりで、結婚式に向かいました。

 

 感じたのは、人の多さと、周囲の人の一体感。よい発言に対し、拍手し、応援する周囲の一体感。みんな戦争法案を廃案にしたい。新聞で、あるいはネットで、みんなおかしいと思っている思いが、ここであわさっているということを実感しました。

 

 香山リカさんは、スピーチの中で次のように話されました。8月26日の弁護士会と学者の合同記者会見で、産経新聞の記者が、政治問題で強制加入団体の弁護士会が意見を出すことについて質問をした。これに対して、日弁連の村越会長は、毅然として言った。「わたしたちは政治問題と考えていない。」と。

 (やり取りは上記のリンクから動画で見ることができます。記者会見の最後の55分頃です。村越会長の回答に拍手がわき起こっています。)


 憲法違反の立法だから、法律問題であって、人権問題であって、政治の問題ではない。だから、弁護士会は、会として反対しているのです。愛知県弁護士会は、名古屋で9月5日17時半から集会をします。いま、憲法委員会の弁護士が準備をしています。

 


 目立つ宣伝カーを用意して、今名古屋周辺を走行しています。


 見かけたら応援してあげてください。


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あなたの身近な弁護士 第3話 ~労働問題編~

 日弁連が、弁護士の広告として動画を作っています。第3話は労働事件。リストラについてありがちな誤解を解説しています。こんなふうに相談だけで解決するとよいのですが。

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過労死等防止対策推進全国センター第2回総会に参加しました

京都 過労死防止
暑い京都

2015年7月26日、暑い京都市内で、過労死等防止対策推進全国センターの第2回総会が開かれました。

 

 7月24日、過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定され、公表されたばかりでした。厚生労働省のホームページ大綱と、大綱の概要が公表されています。

 

 また、大綱を閣議決定するに当たりパブリックコメントが募集されましたが、この結果についても公表されています。この結果は、興味深く、過労死防止のための意見が満載です。

 

 総会では、大綱にかかわった弁護士、家族の会のメンバーから報告を受けました。

 

 本日の総会には、厚生労働省の労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)の方や、国会議員の泉ケンタさん、山井和則さんも出席しました。

 

 厚生労働省の方からも大綱について直接説明を受けることができました。法律に基づく大綱は、権限と予算があるので、これを生かすことが重要だということが分かりました。

 

 今年は、全国29か所で、厚生労働省主催の過労死防止シンポジウムが開かれます。これも、過労死等防止対策推進法に基づくものです。各地で着々と準備がなされている状況の報告がありました。

 

 過労死は、本人にとって、そして残された家族にとって大変な不幸です。過労死ゼロにするために、又頑張ろうと思いました。

 

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防止対策大綱を閣議決定

 2015年7月24日「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されました。


 リンク 厚生労働省

「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されました

 

 過労死をゼロにするために、何をすべきか。

 大綱ができより具体的な対策が動き始めます。

 数値目標も定められました。

 

 将来的に過労死等をゼロとすることを目指し、平成32年までに「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」、「年次有給休暇取得率を70%以上」、平成29年までに「メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上」とする目標を早期に達成することを目指す。


 としています。

 過労死を無くすためには、長時間労働を無くすことが非常に重要です。しかし、これを直接法規制をすることは、使用者側の意見もあり、なかなか困難です。けれども、少しずつでも世の中の意識をかえていくことができれば、将来的には過労死等をゼロにすることができるとおもいます。


 今日は、過労死を無くすために、また一歩進んだと思いたいです。

                                                                                                                                                                                 

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過労死等防止対策推進シンポジウム

 平成26年11月14日、過労死等防止対策推進シンポジウムが行われました。

 こんな感じのイベントです。


 日時:平成26年11月14日(金)13:30~15:30(開場13:00)
 会場:厚生労働省講堂
    (東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館低層棟2階)
 主催:厚生労働省
 協力:過労死等防止対策推進全国センター準備会
    全国過労死を考える家族の会
    過労死弁護団全国連絡会議
       ※参加には事前の応募が必要です。入場は無料です。
 主な内容
 1 基調講演  川人 博弁護士(過労死弁護団全国連絡会議幹事長)
 2 全国過労死を考える家族の会による体験談


 基調講演は川人博弁護士 過労死家族の体験談が8人。厚生労働省主催の会ですが内容はとてもよいものです。

 当日行けなかったのですが、全ての発言内容が、厚生労働省のホームページにアップされています。こんなにしっかり記録を残してもらえるのはありがたいですね。全てが動画でも見ることができるようになっています。再生回数は2015年7月20日の時点で多い映像でも200もいっていないのが残念ですが。

(わたしも、ざっと議事録で読んでしまいまして、ほとんどみてません。)


 →厚生労働省HP 過労死等防止対策推進シンポジウムのページへ 


 愛知県の内野博子さんの発言は見ました。「2002年2月9日、土曜日の早朝、日本最大の自動車メーカーで働いていた夫は、工場の夜間勤務の定時である夜中の1時を3時間以上過ぎた4時半頃、上司と残業中に突然心臓が止まって倒れました。…」

 会社名はいってはダメだったようですね。とてもよい発言でした。


 今年は、名古屋でも250人の会場でシンポを行う予定です。是非来てください。


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ノーモアヒバクシャ愛知訴訟

ノーモアヒバクシャ愛知訴訟 愛知 弁護団 原告団
1日目の事前集会の様子

 2015年7月15日から17日まで、ノーモアヒバクシャ愛知訴訟の証人尋問が行われました。

 1日目は、被爆者の3人の方の証言。70年前被爆した当日のこと。そして、その後の生活、症状を語っていただきました。当日の様子は、翌日の新聞でも報道されました。この日は、いわゆる安保法案が衆議院の委員会で強行採決された日。しかし、原爆投下から70年たっても、未だに救済されていない被爆者がいる。就職先で「被爆がうつる」と差別を受け、そして、今も病気に苦しみ、国からは原爆の影響を否定される。そんな方が、まだこの日本にいる。そんな思いを新たにする尋問でした。

 2日目は原告側から請求した医師証人の尋問。原告の病気が原爆の影響によるものであること、治療の必要があることについて証言をしていただきました。この医師証人の尋問の時間は、国会で、安保法案が、衆議院で強行採決された時間と重なりました。

 そして、3日目は、物理学者の沢田昭二名古屋大学名誉教授の尋問。物理学者として原爆の爆発の仕組み、なぜ、これだけ大きな影響が生じたのか、そして、そのことが当時の資料を基に実証できることを明らかにしていただきました。

 3日を通して、改めて原爆の被害の大きさ、悲惨さが明かになりました。そして、国の被爆者援護の制度が不十分であることも示すことができました。一方で、いろいろな角度から反対尋問をし、反論をしてくる国の姿勢に対し、怒りがわいてきました。国は、同じ主張をして負け続けているのです。

 結審は12月10日。そして判決です。10月29日には、東京、大阪でも判決があります。被爆者は80代、90代です。安保法案の議論を通して、司法の判断について国民が大きく注目しています。被爆者を救済する司法の判断を望みます。

ノーモアヒバクシャ愛知訴訟 原子爆弾 広島 長崎 名古屋地方裁判所
ノーモアヒバクシャ愛知訴訟の原告の方
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2014年の過労死の労災補償状況

1 過労死等の動向

 厚生労働省によると、平成26年度の「脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況」については、次の通りです。

 

 請求件数は763件で、前年度比21件の減。3年連続で減少しました。死亡についての請求件数は、242件で、これも前年度から41件減少しています。支給決定件数は277件(前年度比29件の減)で、2年連続で減少しました。認定率は43.5%で昨年より低くなっています。死亡については121件が認定支給されています。認定率は49.4%で、前年よりわずかですが認定率は高くなっています。

 

 同じく、「精神障害に関する事案の労災補償状況」は、次の通りです。請求件数は、1456件で、前年度比47件の増となり、過去最多の昨年を更に上回りました。支給決定件数は497件(前年度比61件の増)で、過去最多です。認定率は38.0パーセントで昨年より少し高くなりました。このうち自殺(未遂も含む)についての請求件数は213件で、そのうち支給決定件数は99件。認定率は47.1パーセントです。支給決定件数は過去最高、認定率も過去最高です。

 

 自殺の請求件数、認定件数はほぼ横ばいですが、昨年は動きがあったように思えます。平成23年に認定基準が変わりその直後の平成24年度は認定件数が93件と上昇し、認定率も45.8%と増加し、平成25年は一旦下がったのですが、平成26年は、平成24年を上回りました。

 

 参考

 平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表

 

2 自殺者の動向

 ところで、警察庁の自殺の統計によると、平成26年中における自殺者の総数は25,427人で、前年に比べ1,856人(6.8%)減少しました。このうち、勤務問題が理由であるとしたものが2,227件あります。

  参考

 警察庁 ホームページ


3 分析

 警察庁の統計をみると、勤務問題が理由で自殺した人は全国で2、227件もあるにもかかわらず、自殺の労災申請をした件数は213件しかありません。全体の10パーセントしか労災申請に至らないということになります。(公務員もいますか、公務災害請求した死亡事案は平成25年度全部で38人ですから、ほぼ間違いがないと考えられます。)認定数は過去最高とはいえ99件しかありません。

 

 

 

 多くの自殺の場合には、労災申請すらしていないのではないかと考えられます。ただ、世の中のみなさんに、自殺は労災ですよ、申請してみましょう、とどんどん宣伝すれば、申請数も、認定数も増加するかといえば、そうではないと考えられます。

 

 もちろん、徐々には増加するはずですから、このような相談活動、相談窓口を知らせる活動を地道に行っていく必要はあります。

 

 しかし、亡くなった遺族は、さまざまなことを考慮の上で、労災申請をする、しないを選択しています。職場との関係、自分の現在の状況、自殺の原因。制度全体が大きく変わらないにもかかわらず、申請件数、認定件数は大きくかわるという展望は持ちにくいものです。(できる限り相談していただきたいと願っています。)

 

 申請数が大きく増加したのは、平成11年の精神疾患の判断指針が出されたとき、そして、平成13年の脳・心臓疾患の認定基準が改定されたとき、そして平成23年に精神障害の認定基準が出されたときです。

 今後も本当に「過労死」と認定すべき事案を認定させるためには、認定基準を適正なものに変えていく必要があります。

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ノーモアヒバクシャ愛知訴訟

 広島、長崎で原爆が投下されて今年2015年で70年が立ちました。70年たっても原爆の影響で苦しんでいる方がいます。この愛知にも、広島、長崎で被爆した方がたくさんおられます。

 これらの方が、いま裁判を闘っています。ノーモアヒバクシャ訴訟です。

 

 どんな裁判かというと・・・。

 「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」という法律があります。

 

 この法律には前文というのがあって、(前文などない法律がほとんどです。)


 昭和20年8月、広島市及び長崎市に投下された原子爆弾という比類のない破壊兵器は、幾多の尊い生命を一瞬にして奪ったのみならず、たとい一命をとりとめた被爆者にも、生涯いやすことのできない傷跡と後遺症を残し、不安の中での生活をもたらした。
 このような原子爆弾の放射能に起因する健康被害に苦しむ被爆者の健康の保持及び増進並びに福祉を図るため、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律を制定し、医療の給付、医療特別手当等の支給をはじめとする各般の施策を講じてきた。また、我らは、再びこのような惨禍が繰り返されることがないようにとの固い決意の下、世界唯一の原子爆弾の被爆国として、核兵器の究極的廃絶と世界の恒久平和の確立を全世界に訴え続けてきた。
 ここに、被爆後50年のときを迎えるに当たり、我らは、核兵器の究極的廃絶に向けての決意を新たにし、原子爆弾の惨禍が繰り返されることのないよう、恒久の平和を念願するとともに、国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ、高齢化の進行している被爆者に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じ、あわせて、国として原子爆弾による死没者の尊い犠牲を銘記するため、この法律を制定する。

 

 良いことが書いてあるのです。

 

 そして、その第10条には、次のような定めがあります。

 

 第10条 厚生労働大臣は、原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し、又は疾病にかかり、現に医療を要する状態にある被爆者に対し、必要な医療の給付を行う。ただし、当該負傷又は疾病が原子爆弾の放射能に起因するものでないときは、その者の治癒能力が原子爆弾の放射能の影響を受けているため現に医療を要する状態にある場合に限る。

 

   制度の説明は厚生労働省のホームページにあります。

 ところが・・・。

 この「原子爆弾の傷害作用に起因して」に当てはまる人がとても少ない。

 

 このため国を相手に裁判をして認定を勝ち取った方がいました。長崎で被爆した松谷さんなど。

 

 しかし、国は裁判で負けても、認定基準を変えませんでした。

 

 全国の被爆者がたちあがりました。「原爆症認定集団訴訟」として、全国の被爆者が訴訟を提起しました。

 全国の裁判所は、被爆者を勝たせました。

 厚生労働省の認定基準も変わりました。新しい審査の方針

 集団訴訟は国と話し合い解決しました。

 

 けれども、この新しい審査の方針でも「原子爆弾の傷害作用に起因して」といえないとして、医療費を払ってもらえない人がいました。そのため再び裁判を提起したのです。

 

 これが、ノーモアヒバクシャ訴訟です。東京、大阪、広島、岡山、熊本など各地で行われています。

 

 愛知では、この2015年7月15日から17日まで3日連続の証人尋問が行われます。認定を求める原告、認定をするべきであるという医師、そして、原爆の影響が明らかだと述べる物理学者の尋問です。さに正念場。名古屋地方裁判所第1号法廷です。

 

 原爆投下から70年。被爆者の方は70年+αの年齢の方ばかりです。時間がありません。

 是非、よい判決を。そして、更なる認定基準の変更を求めていきたいです。

 

 私は微力ですが、弁護団は若手を中心に頑張っています。

 

 参考  ノーモアヒバクシャ訴訟 東京 東友会 

 

 

 

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弁護士会の法律相談を活用しては

 先日、愛知県弁護士会名古屋法律相談センターのサラ金・クレジット被害の法律相談の担当日でした。

 相談の枠は4コマありました。けれども当時の予約は一件だけ。

 その一件の予約の方も、特に連絡なく,来られませんでした。

 

 弁護士会のサラ金・クレジット被害の法律相談は、最も多かった平成18年度には、年間5000件を超える相談件数であったのですが、平成26年度には約650件となっています。

 

 サラ金・クレジットで悩む人が、こんなに減ったのだということで、喜ぶべきことでしょう。利息制限法を超える利息により利益を受けていたサラ金業者の多くが廃業するか、大手銀行の支援を受けながら存続するのかの大きく二つに分かれたようにみえます。

 

 ただ、本当に被害がないのであればよいのですが、何らかの理由で、愛知県弁護士会が無料で法律相談をしていることをしらない、あるいは利用しにくい、という人がおられたらお気の毒です。

 

 私の事務所も債務整理については相談料を無料にしています。

 弁護士会の法律相談をもっと活用していただけたらと思います。

 

 

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名張ぶどう酒事件 第9次再審

2月におこなった映画上映会のチラシ
2月におこなった映画上映会のチラシ

 先日5月15日、名張毒ぶどう酒事件について、弁護団が特別抗告中の第8次再審請求を取り下げ、名古屋高裁に9回目の再審請求したという報道がありました。


 本当に奥西さんには、時間がありません。

 報道をみると、ポイントは、検察庁がいまもっている、未開示の証拠を開示させられるかにあるようです。


 裁判員裁判の場合、法律により一定場合証拠の開示義務が発生します。

 けれども再審の場合は、法律上開示義務はまったくありません。名張事件では、検察庁は頑なに証拠を開示しないようです。


 他の再審事件では、裁判所の勧告にしたがった証拠開示により無罪を示す証拠があったという例もあります。


 裁判所は、このようなときこそ、建前や、形式にこだわることなく、適切な判断をして欲しいです。

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名古屋市バス過労自殺事件敗訴

市バス山田さん
判決前の集会

 名古屋市バスの運転手の過労自殺事件2015年3月30日判決がありました。

 主文は「原告の請求を棄却する。」

 判決を法廷で聞いたのですが、裁判長が最初に「げ」というと負けです。「げ」と聞こえた瞬間にほんとうにがっかりしました。

 裁判長が、判決の要旨を述べたので、その場で概要はわかりましたが、残念の一言です。

 

名古屋家庭裁判所 
名古屋家庭裁判所 桜

当日は天候もよく、裁判所の前の桜もちょうど満開でした。

満開の桜の元で「勝訴」の旗の下で、喜び合うはずだったのが。

 でもめげません。

 これからもたたかいます。

 山田さんの死を無にしないために。

    お父さんお母さんの無念な思いを晴らすために。


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愛知県弁護士会「取調べの可視化市民集会」

勝率ゼロへの挑戦
八田隆さんの著書 勝率ゼロへの挑戦

 3月7日、名古屋市の栄ガスビルで、愛知県弁護士会主催の「取調べの可視化市民集会 元特捜検事とえん罪被害者が語る!!」が開催されました。


 一人目の講演は、クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 (所得税法違反)えん罪被害者 八田隆さん。


 東京国税局に告発され、東京地検特捜部に起訴されるという、それまでは有罪率100%だった脱税事件で、一審無罪判決、検察官控訴棄却で無罪確定という全面勝利を勝ち取られました。 『勝率ゼロへの挑戦史上初の無罪はいかにして生まれたか』を上梓。

 

 二人目の講演は、前田恒彦さん。元特捜検事。1996年任官。約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に約9年在籍し、捜査主任や取調べを担当。大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件で服役後は、フェイスブックなどのネット媒体を使い、刑事司法の実態や問題点を独自の視点で発信中です。


 八田さんには検察官の取調べを受べをうけながら、果敢に挑戦をして,無罪を勝ち取られた「あきらめない。」強い気持ちと戦略をお話ししていただきました。

 

 前田さんからは、元特捜検事として、当地名古屋での美濃加茂市の市長さんの無罪事件についてのお話しがありました。検察官の証人テストも可視化をすれば、証人の信用性の争いもより明確になるというお話しが印象に残りました。

 

 さらに、前田さんからは、検察の取調べの様子をお話しいただきました。検察官の取調の実際は、取調べを受けた人のいくつかの著書があるのですが、その通りとのことです。また、さらに生の実際のところを話してもらいました。

 

 お二人のお話を聞いて改めて認識できたのは、取調べは、真実を追及するのではなく、捜査官にとっての「真実」といえる事実を確定し、いかにその「真実」を裁判官にわかりやすく説明できる調書を作るところ、ということでした。

 いろいろ議論がありますが、取調べの可視化が法律になる(対象範囲は裁判員裁判対象事件等ごくわずかですが。)ことは、画期的なことです。

 新しい時代に向けて、制度が違った方向に行かないように、注視してく必要があります。

 

 お二人は弁護士にも辛口のコメントをされましたし弁護士会と意見は異なります。けれども弁護士同士で話しているのと異なり、大変刺激を受けました。そして、何よりも、可視化が重要であるという意見は異なりません。

 

 八田隆さん、前田恒彦さん、名古屋にお越しいただき貴重なお話しをいただいてありがとうございました。

 

 お二人のツイッター、フェイスブック、ブログをご紹介します。

 

八田隆さんの ツイッター

 https://twitter.com/thatta0529

#検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会 フェイスブック

 https://www.facebook.com/kensatsunow?fref=photo

 八田隆さんの ブログ 「蟷螂の斧となろうとも」 by元外資系証券マン

 http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/

 

 前田恒彦 -元特捜部主任検事のつぶやき- 

 https://www.facebook.com/MaedaTsunehiko

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映画「約束 名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯」上映会 報告 

稲生昌三
お話しをされる稲生昌三さん

 本日、国民救援会熱田支部主催の映画「約束 名張毒ぶどう酒事件死刑囚の生涯」の上映会を行いました。

 おかげさまで、125名の方に来場いただき、盛況でした。ご来場いただいた皆さん ありがとうございました。

 

 

始まる前は何人くら集まっていただけるのか。ほとんど来てくれないのではないか、と心配でした。

心配は杞憂でした。

会場には合計125人の方が集まっていただきました。


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臨床法学教育学会

 臨床法学教育学会が、4月26日日曜日、中京大学で開催されます。

 私も今年度から愛知学院大学法科大学院特任教授として、実務家の法科大学院教員をやらせていただいているのですが、この臨床法学教育学会にの午前中の部会で司会をさせていただくことになりました。

「離婚をめぐる技術と倫理―法曹の中核的価値が問われる現場から―」(法曹倫理部会)
 提題者:江本真理(弁護士)、討論者:宮田智弘(弁護士)、成瀬伸子(弁護士)、馬場陽(弁護士)、 柴垣直哉(弁護士)、
司会:岩井羊一(弁護士)、世話人:森際康友(名古屋大学)

 

 離婚事件は、多くの弁護士が担当する分野であり、多くの弁護士が共有する技術と、なやむべき倫理の問題を抱えています。これを取り上げて、実務を倫理の観点から見直してみようという試みです。

 弁護士に聞きに来てもらいたいと思っています。

ダウンロード
臨床法学教育学会第8回年次大会ポスター.pdf
PDFファイル 847.4 KB

愛知県弁護士会の紛争解決センター

 

 愛知県弁護士会は、紛争解決センターを設置しています。

 「身近なトラブルお気軽に。」

 そんなキャッチフレーズで、愛知県弁護士会が設置している話し合いで紛争を解決する機関です。平成9年4月に開設し、好評をいただいています。 当事者で話し合ったがまとまらない、しかし裁判までやるのはどうも。そんなトラブルを弁護士や各分野の専門家が間に入って話し合いを中心に解決する制度です。 

 裁判との違いは、まずは、早く、柔軟に、解決できるということです。裁判では、どうしても、裁判官に有利に考えてもらうために、慎重にお互いの主張をのべるので、どうしても時間がかかりがちです。紛争解決センターでは、双方の言い分をはじめからきいて、解決を探っていくので、ずばり紛争の争点に立ち入って解決をはかれるメリットがあります。

 つぎに、柔軟にというのは、たとえば、建築紛争などでは、早い段階で弁護士や建築士が現地へ赴くことも多く、現地で争点を整理することによって早期解決に導くことも可能です。

 さらに、手続は簡単です。申立書には、法律的な説明や、きちんと計算した上で「金○○○円の支払を求める」などと記載しなくても、「適切な解決を求める」という書き方で構いません。

 間に入るのは、弁護士です。経験のある弁護士が間に入って柔軟な解決をはかるために努力します。

 愛知県弁護士会の紛争解決センターは、申立件数は全国の紛争解決センターを運営している弁護士会の中でもトップクラス。弁護士からも、市民からも信頼を得ています。

 愛知県弁護士会の紛争解決センターのあっせん・仲裁人の弁護士

 私も、あっせん・仲裁人に選任されております。

 紛争解決センターの費用や詳しい手続きは、

 愛知県弁護士会のホームページ 

 をご確認ください。書式もあります。

    弁護士に委任して申し立てることもできます。弁護士に委任しなくてもできることを目指しているのですが、弁護士に委任して申し立てるとより紛争解決に近づけるのではないかというのが、私の実感です。

 私は、弁護士会の副会長の時に、この運営の担当をし、現在は、弁護士会の紛争解決センター運営委員会の副委員長の一人となっています。また、あっせん・仲裁人の候補者となり、実際に事件を担当させていただくことがあります。

 もちろん、弁護士として、一方の代理人として紛争解決センターを利用させていただいたこともあります。相手が全く応じてくれない場合は難しい場合もあるのですが、お互いに紛争を解決したいという気持ちがあれば、この手続きはおすすめです。意地を張って、裁判まで持ち込まれても、最終的に落ち着く先が同じであれば、早いほうがいいと考えるからです。

 ただ、過労死事案だと、因果関係の存否や、過失の有無といった法律問題が大きな争点になってしまうので、なかなか利用しにくいことがあります。

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弁護士ドットコムにコメント

 弁護士ドットコムニュースに、わたしのコメントが載りました。 社員の「ストレスチェック」義務化へーー働く者が「不利益」を受ける恐れはないか? 

 ここでも書きましたが、これからは、一定の規模の企業はストレスチェックをしなければなりません。

 病気ではない人が、病気呼ばわりされて、不利益になるという心配もあります。

 しかし、ストレスチェックすらしていないのでは、現状をかえることもできません。

 日本では、まだまだ長時間労働を無くそうという意識が少ないのが現状です。

 まして、「残業代ゼロ制度」は、このような長時間労働を助長する危険性が大です。導入には絶対反対です。

 チェックだけでなく、長時間労働をどうしたらなくせるか、この法整備が緊急の課題です。

 せめて、ストレスチェックで職場の長時間労働が明らかになり、改善される可能性に期待したいと思います。

花  宇城翔子 作
花  宇城翔子 作
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映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」上映会

 今日は、映画上映会の紹介です。

 国民救援会熱田支部は、2月21日、名張毒ぶどう酒事件の映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」の上映会を行います。


 この映画は、あの名優の仲代達矢さんが、現在の奥西勝さん役で出演しています。逮捕された当時の奥西勝さんを俳優で現在は参議院議員の山本太郎さんが演じています。そして、奥西勝さんの母親役として、女優の樹木希林さんが出演しています。


 奥西勝さんを支援する初代特別面会人の川村富左吉さんを名古屋で活躍する俳優の天野鎮雄さんが演じています。作成は、東海テレビです。長年、名張毒ぶどう酒事件を取材したドキュメンタリーを作成した齊藤潤一さんが監督、脚本、同様に東海テレビでドキュメンタリーを作成してきた阿武野勝彦さんがプロデューサーをしています。


 この映画では、これまでの取材を生かして、リアルでかつ分かりやすく事件の紹介もされています。実際の奥村勝さんの当時の映像、そして実際の弁護団長の鈴木泉弁護士をはじめてとする弁護団も多く出演しています。弁護団の苦労、多くの支援の方の活動、母親の苦悩など周りの方のことも取り上げられています。

 

 山本太郎さん、仲代達矢さんは、無実の奥西さんの思いがのりうつったかのような迫真の演技をみせてくれています。私は、東海テレビで放映されたときに見たのですが、感動し、そして、いまだに無実と認められない悔しさと、司法に対する憤りを感じました。

 

 名古屋高裁刑事第2部(木口信之裁判長)は、つい先日の1月9日、三重・名張毒ぶどう酒事件(第8次再審請求・異議審)について、無実の死刑囚・奥西勝さんの訴えを一顧だにせず、請求を棄却する不当決定をおこないました。弁護団は、最高裁判所に特別抗告をしました。


 現在奥西さんは、八王子の医療刑務所に収容されています。奥西さんは、死刑が確定していますから、原則として弁護人しか面会できませんが、特別面会人として稲生昌三さんとは面会が許されています。この映画上映会には稲生昌三さんが来てくださいます。

 

 未だ見ていない人も、一度見た人も、何度も見た人も、一緒に映画を見てみませんか。そして、稲生昌三さんの話を聞きませんか。そして、奥西さんの再審開始と釈放を実現するために、多くの方の参加で「支援の広がり」を示しませんか。

2015年2月21日(土)14:00~16:00 開場13:30

場所 港医療生協レインボーセンター大ホール

   名古屋市港区五番町3-6 場所はこちら

上映終了後、奥西さんとの面会人・稲生昌三さんが、近況をお話しします。

〈参加協力券 500円〉

主催 国民救援会熱田支部

後援 憲法をいかす名南連絡会 年金者組合熱田支部

   革新あつたの会 あつた九条の会 熱田福祉会労働組合

 

映画 「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯  上映会

 

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取調べの可視化 市民集会

愛知県弁護士会主催の


取調べの可視化市民集会

元特捜検事とえん罪被害者が語る!


が開催されます。




日時   平成27年3月7日(土)
     開場午後1時30分
     開演午後2時より

会場    栄ガスビル4階401会議室



名古屋市中区栄3-1 5- 3 3
先着130 名
(事前申込み不要)


 同時開催の 


パネルディスカッション『新時代の刑事司法』は?

 このパネルディスカッションのコーディネーターを、私が務める予定になっております。

 元特捜検事は元大阪地検特捜部検事 前田 恒彦さんです。前田さんは、大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件で服役後は、フェイスブックなどのネット媒体を使い、刑事司法の実態や問題点を独自の視点で発信中です。前田さんのフェイスブックはこちら。ツイッターはこちら

 

 さらに、えん罪被害者は、クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件 (所得税法違反)で無罪となった八田 隆さん。

 八田さんのブログはこちら。フェイスブックはこちら。著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)

 

 日本の刑事司法を検察官として、そして被告人として体験してきた前田さん、検察官の取り調べを経験した八田さんがどの様な発言をするのか。楽しみです。

 私は、コーディネーターではありますが、弁護士の立場でも発言する予定です。

 130人の会場です。たくさん来て欲しいと思います。

 

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2015年 1月6日から事務所は始動します。

 今日は、弁護士会の新年会でした。当職も出席しました。愛知県弁護士会の会員が、会館に集まり、喜寿、米寿の会員をお祝いし、また登録30年の会員を表彰しました。今年は,若い会員の出席者が多く,大変熱気のある新年会となりました。

 

 会長のあいさつ、そして締めの冨島照男会員のあいさつは、1月17日行われる集団的自衛権大集会の成功を目指したものでした。現在、200名を超える弁護士が参加を表明しています。これだけの弁護士が,一度に集まることは、弁護士会の総会でもないことです。会長と実行委員会の冨島会員を先頭に、愛知県弁護士会として、憲法を無視した解釈による集団的自衛権の行使に反対の声を上げようというものです。是非、多くの会員、そして市民の皆さんが集まり、大きな話題にしたいですね。

 

 事務所は、2015年1月6日から本格的に始動します。今年もよろしくお願いします。

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過労死防止を考えるつどいin名古屋 盛況でした。

会場はほぼ満席に

 名古屋過労死を考える家族の会主催の、過労死防止を考えるつどいin名古屋が、11月22日土曜日、午後1時30分から午後4時10分頃までのあいだ、名古屋市中村区のウインクあいちで行われました。

 当日参加者数はおよそ80名。

 100名の会場でしたが、概ね満席でした。

 


「前」衆議院議員 今枝宗一郎さんが駆けつけてくださいました。

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過労死等防止対策推進シンポジウム

過労死等防止対策推進シンポジウム 過労死防止を考えるつどい
当事務所 過労死等防止対策推進シンポジウムのポスターを張り出しました。

 11月14日、過労死等防止対策推進シンポジウムが開かれました。厚生労働省が主催です。


http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000060176.pdf

 川人博弁護士のお話のほか、過労死の家族8人が、自分の体験を話しました。


 名古屋でも11月22日、過労死防止を考える集いin名古屋

なくそう過労死まもろう労働基準法 を行います。

 場所はウインクあいち。1101会議室。100名の部屋ですが、たくさんの人に来て欲しいですね。先日、司法記者クラブで、レクチャーもさせていただきました。当日取材も来てもらえるとよいのですが。


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2015年版六法

 2015年版模範六法が発売されました。

 毎年法改正があるので、六法も毎年新しいものが発売されます。この1年は、iPad版模範六法を使っていましたが、やはり紙の六法も使いやすいので購入しました。相談室に備え置きました。

今年からデザインが変わりました。高級感がある背表紙になりました。

 


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過労死防止を考える集いin名古屋 開催します。

過労死防止を考えるつどいin名古屋を開催します!遂にチラシができました。


主催 名古屋過労死を考える家族の会


後援 愛知労働局  愛知県 名古屋市 愛知県弁護士会


11月1日 過労死等防止対策推進法が施行されます。これを記念した行事です。過労死等防止対策推進ほうでは11月を過労死防止の啓発月間にしています。この集いも、そのためのものです。家族の会の尽力で、愛知労働局 愛知県 名古屋市 愛知県弁護士会に後援していただくことができました。

当日は、先着100名 広い会場ではありませんが、会場をいっぱいにし愛知からも過労死防止の声をアピールしたいです。



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月200時間を超える時間外労働はひどい

 新聞やテレビの報道によると、10月17日、熊本地方裁判所で、熊本の地元銀行の40歳の銀行員が自殺した事件で、銀行に損害賠償の支払を命じる判決がされたとのこと。

 報道によれば、裁判所は、死亡する前の1か月間で200時間を超えていて、銀行は男性の勤務が長時間になっていることを認識できたにもかかわらず対応を怠ったと指摘したとのことです。

 精神疾患の認定基準は、一か月160時間を超える時間外労働をして、精神疾患に罹患した場合には「・発病直前の1か月におおむね160時間以上の時間外労働を行った場合」で「極度の長時間労働」があったとし、業務上であることを認めるとしています。極度の長時間労働、例えば数週間にわたる生理的に必要な最小限度の睡眠時間を確保できないほどの長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となると考えられるからです。

 私は、こんな高いハードルを設けて、認定されるのを妨げているのか,と思っていましたが、現実にこれを超える時間外労働をさせていたというのは驚きです。

 これも報道によればですが、銀行は、自殺との因果関係を争っていたが、今年に入ってから因果関係を認めていたようです。また、控訴しない方針だと報道されています。このように過去の非をみとめて、判決に従うとした対応自体は、良いとおもいます。それにしても時間外労働200時間とは、長いにも程があります。

 原告で亡くなった男性の妻は、記者会見で、「判決が出ても夫のいる元の生活が戻ってくることはありません。どの会社も従業員を大切にして同じようなことが起こらないようにしてほしい」とコメントしたそうです。ほんとうにその通りです。

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人権保障の行方~もし、今、憲法が改正されたら?~

 10月17日、金沢市内において、第62回中部弁護士会連合会定期弁護士大会(中弁連大会)が行われました。

 中部6県の弁護士が、年に一度集まる会合です。午前中にシンポジウム、午後から定期大会というのが慣例となっています。日本弁護士連合会の会長、副会長は全員来賓として参加します。

 今年のシンポジウムは、人権保障の行方、もし、今憲法が改正されたら,と題して、表現の自由、生存権について、自民党の憲法改正草案を問題点を取り上げました。

 日本の最高裁判所は、現在でも表現の自由について冷淡な態度を取っており、現実にデモ行進などは広い規制が行われているという指摘がありました。ただ、脱原発集会、デモにみられるように、なにかあればデモをして、意思を表すという文化が再び芽生えているという指摘もあり、興味深く話を聞きました。


 シンポのパネリストは、金沢大学の山崎友也准教授、元最高裁裁判官の宮川光治弁護士、朝日新聞の樋口大二記者、上柳敏郎弁護士でした。樋口記者はデモを取材するなかで、デモが各地で行われていることを肯定的に評価していました。上柳弁護士は、脱原発の集会,デモを日比谷公園でおこなうことについて、東京都が許可しなかったことの取消を求める裁判の代理人として最近の裁判所が表現の自由の価値を十分に配慮せず、消極判断をしているとの説明がありました。

 宮川光治弁護士は、元最高裁裁判官として、最高裁判所にいたときの考え方や、最高裁判所の態度について、かなり踏み込んで発言していました。

 山崎友也准教授は、自民党の憲法改正について、むしろ、それほど変化がないのではないかという問題提起をしました。現在の憲法の下でも公の秩序という考え方も成り立っているという観点の分析でした。自分の中では、少し違和感を感じました。ただ、多くの裁判例や海外の法制度などの例を紹介した議論の進め方は、学者ならではの広がりのある議論だと感じました。いずれの発言も大変興味深く聞きました。

 憲法は、たしかに実務的に論ずる機会は少ないのですが、生活保護の相談や、デモ行進の際のトラブルの相談は、弁護士としても直面する場面があります。参考になりました。

 以上、雑ぱくな感想です。

 午後には、このシンポを踏まえて宣言をしました。その内容は中弁連のホームページに掲載されるはずです。

 弁護士が、このように社会に情報を発信している、ということの紹介ができればと考えて書きました。



 

 改めて、憲法の人権保障の原理を自覚しました。また、自民党の憲法改正草案が、個人の尊厳を後退させているものであること、そのことが及ぼす影響を具体的に考えることができました。

 

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労働法長期講座で講師をしました。

 10月3日、公益財団法人愛知県労働協会が主催する労働法長期講座で講師としてお話しさせていただきました。

 テーマは、「労働災害について」副題は「過労死・精神障害をめぐる使用者の安全配慮義務等について」

http://ailabor.or.jp/guide/124.html

 約2時間の講義ですが、申し込まれた方には熱心に聞いていただきました。

 今回特に紹介したのは、電通事件とマツヤデンキ事件など。

 電通事件は、過労自殺を有名にした事件で、この事件の最高裁判決は、現在も安全配慮義務について参考にすべき裁判例です。

 マツヤデンキ事件は、私も弁護団の一員だったわけですが、最近の実務家向けの裁判例を紹介する書籍のいくつかに紹介されています。誰を基準に業務の過重性を考えるのかという問題について解説しました。障害者として雇用された方が、その障害が原因でなくなった場合には、本人を基準にするという判決です。

 過労死、過労自殺は、判例の積み重ねにより、労災の認定基準が策定されています。すくなくとも、この認定基準に当てはまるような職場ではいけないことを理解していただけたらと思います。

 今回の受講がどれほど役に立ったのかわかりませんが、もし、労働の現場にいるかたが参考にし、過労死、過労自殺の起こらないように役に立てていただけたら幸いです。

 私も、お話ししてる中で、うまく伝えられたか自信のない部分もあり、いろいろ反省をする点もありました。

 機会を与えていただいた愛知県労働協会様、受講された受講生の皆様に感謝します。

 

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岩井羊一法律事務所は1周年

岩井羊一法律事務所
2014年10月1日 秋空の朝の事務所ビル

 本日、岩井羊一法律事務所は、1周年を迎えました。1年間、いろいろな形で支えてくださった皆さんに感謝します。
 この1年、新たに多くの事件をご依頼いただきました。依頼者の方に納得のできる解決ができるように、これからも全力で取り組んでいく所存でいきます。
 トップページにあるように、過労死過労自殺事件をはじめとする労災事件に取組んでいます。残念というべきですが、新件の相談が続いています。過労死等防止対策推進法が成立しました。過労死のない社会を目指して、これからも進んでいきます。

 2年目に入りました岩井羊一法律事務所。どうぞよろしくお願いします。

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第13回国選弁護シンポジウム 開催されました

 2014年9月12日、名古屋市のウインクあいちで、第13回国選シンポジウムが行われました。テーマは、さらに一歩を!逮捕からの充実した弁護」

 

 国選シンポジウムは、「被疑者、被告人の弁護人依頼権の重要性にかんがみ、国選弁護制度を拡充強化し、当面する諸問題についての必要な調査、研究、対策の樹立に資するため、毎年若しくは隔年1回」開くこととされています(日弁連国選弁護シンポジウム規則)。第1回は1987年。名古屋の弁護士会館で行われました。それから27年。再び名古屋の地で行われました。

 当日は、全国から617人の弁護士や市民の方があつまり、熱心にシンポジウムに参加していただきました。

 右の写真は、シンポジウム実行委員会でいったイギリス当番弁護士制度の報告書です。イギリスの当番弁護士制度の報告がありました。

 イギリスでは、取調に先立って弁護人の援助を受ける権利が確立しているそうです。

 日本では、逮捕されて最大72時間身体拘束できますが、その間に国選弁護人を選任してもらうことはできません。国選の弁護人が選ばれるのは勾留されてからです。逮捕されてから勾留されるまでは、私選弁護人を依頼するか、弁護士会の当番弁護士制度に基づき、弁護士を派遣してもらうほか弁護士に援助を求めることが出来ません。国の費用が逮捕段階について今のところ予定していないのです。

 当日は、量刑データベースと情状弁護、面会室におけるカメラ、パソコン等の持込の問題、そして、逮捕段階からの公的弁護制度を構想する と言う三つのテーマで行いました。

 式次第にあに、私は、シンポジウム実行委員会事務局長を仰せつかっておりまして、日弁連会長の開会挨拶のあとにシンポジウム問題提起を行いました。

 

 シンポ自体は,全国の弁護士が1年以上の時間をかけて準備をしてきたものです。

 第1部、第2部、第3部とも大変分かりやすい充実したものになりました。

 日弁連は、国選弁護シンポジウムを積み重ねながら、被疑者国選の制度を創り、充実させてきました。

 弁護士会は、自分たちのお金で「当番弁護士制度」を作ってきましたが、被疑者国選弁護制度がつくられ、被疑者のために、国費で弁護士がつけられる制度が拡充してきたのです。

 今日弁連が目指しているのは逮捕段階からの公的弁護制度です。

 今回のシンポジウムが、そのための一助になればと思います。

 

 

おまけ

 

 当日、販売していた可視化オールくんのトートバッグ購入しました。なかなかしっかりした作りです。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/recordings/detail/tote_bag.html

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心神喪失について

弁護士ドットコムに当職のコメントが掲載されました。

 

駅でスカートをのぞき込んだ男性に「無罪判決」――なぜ「心神喪失」だと無罪なのか?

 

 

ところで、この話題については、さらに説明した方が良いことがありますのでコメントします。

 

・無罪になったら社会に戻るのか

 心神喪失により無罪の場合、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)に基づいて鑑定入院させられることが多いです。

 その後、適切な処遇を決定するための審判手続により、入院決定(医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定)を受けた人については,厚生労働省所管の指定入院医療機関による専門的な医療が提供され,その間、保護観察所は、その人について,退院後の生活環境の調整を行います。
 また、通院決定(入院によらない医療を受けさせる旨の決定)を受けた人及び退院を許可された人については、原則として3年間,厚生労働省所管の指定通院医療機関による医療が提供されるほか、保護観察所による精神保健観察に付され,必要な医療と援助の確保が図られます。 (法務省のホームページより)

 

 そのほか「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健法)は、自傷、他害のおそれのある精神障害者について、本人の同意を得て入院させる(任意入院)ほか、本人の同意がなくても入院させることができるとされています。

 医療観察法に基づく要件がない場合も、この法律により入院することになる可能性もあります。


 実際には、このような事件の判決のとき、検察官は、無罪が出てもすぐに上記の法律に基づいて、強制的に入院することができるように準備をしています。

 

 精神病や知的障害の人が、今後も何をするのか怖いから無罪はおかしいと思うのは、心神喪失の状態というのが、良い、悪いの判断が全くできず責任を取ることができない状態であることについての理解がしにくいからかもしれません。

 ただ、実際には、心神喪失などの状態で重大な行為を行った場合にも、周囲の人が心配ないように、治療を受けさせる扱いをしています。法律や実際に治療する病院も整備されているのです。

 

 また、精神保健法は、事件が起きていなくても、自傷他害のおそれがある場合には、入院させることもできるようになっています。法律は、決して精神障害の方が、状態が悪くなり、他人を害するおそれ塲ある場合を、放置しているわけではありません。

 

 なお、間違って入院させられないように、医療観察法では、裁判所の判断が入ります。また、精神保健報に基づく入院についても不服申立の制度があります。この場合に、弁護士に依頼する権利があります。  

 

・被害者の気持ちを考えると許せない

 被害に遭われた方は本当にお気の毒です。しかし、悪いことだとは全くわからなかった人を処罰しても、その人はその刑罰を自分の行ったことの報いと理解することはできません。刑罰は、その人に自分のやったことの責任を自覚させることが出発点です。

 また、自分のやったことの善悪がわからない人に、刑罰を与えて、本当の意味での被害に遭われた方の慰めになるのでしょうか。

 心神喪失というのが、責任をとれるような精神の状態ではないことを具体的に理解できないから不合理に感じられるのではないかと、思います。


・心神喪失かどうかきちんと判断できるのか

  刑事事件の心神喪失についても、「疑わしきは、被告人の利益に」の原則はもちろんあてはまります。証拠によって常識に照らして判断し、心神喪失である疑いがある場合には、無罪としなければなりません。その意味で、心神喪失であることを厳密に判断すべきだ、とか、判断できるはずがないから心神喪失を無罪にするのはおかしい、という考え方は、刑事裁判の考え方に反しています。このような考え方では、本当に責任の取れない人を刑務所に入れて、受刑させることになります。これはその人の人権の重大な侵害です。

 心神喪失かどうかは、その人が犯人かどうか争われた事案と同様に、間違いがあってはいけないのです。間違いというのは、心神喪失の人を心神喪失ではないと判断することです。その反対に心神喪失ではない人を心神喪失の疑いがあると判断することは、「疑わしきは、被告人の利益に」の原則から、やむを得ないことなのです。

 ただ、実際には、心神喪失の場合、多くは、専門家が、心理テストを含む鑑定をし、それに基づいて裁判所が判断することになりますから、それなりの判断の材料が裁判では用意されることになります。

 個別の事件では、いろいろ不十分なことがあるかも知れません。しかし、心神喪失かどうか判断が難しいから、心神喪失の考え方がおかしいということにはならないはずです。


 

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過労死防止法制定実行委員会 発展的解散式

 8月23日、東京で過労死防止制定実行委員会の発展的解散式がありました。

 過労死防止法が制定されたことをお祝いし、新たに過労死防止法に対する対応をするための協議をしました。

 写真は冒頭の挨拶をする森岡考二関西大学教授です。実行委員会の委員長でした。

 過労死防止法制定のために大活躍をされた過労死を考える家族の会の寺西垣典子さん(寺西さん、西垣さん、中原さん)のご挨拶。

 寺西さん、西垣さんは関西の方ですが、東京に月の半分滞在して,国会議員に要請をしたそうです。

 遺族の声が、世論を動かし、国会議員を動かしました。


その後は、場所を変えて懇親会。

あつまった、弁護団の弁護士、過労死を考える家族の会の方、報道関係者、支援団体の方など、それぞれが法律制定へのみちのり,思いを述べました。

過労死防止法の制定までの道のりをビデオ上映。写真は愛知の家族の会のメンバーが、国会の院内集会で発言しているところ。

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落雷事故の最高裁判所判決 平成18年3月13日

 

87日の「サンスポ」のネットの報道によると

 

「落雷で高校野球部員が死亡 雷注意報を学校は把握せず」という表題で共同通信配信の報道がなされています。

 

「6日午後1時15分ごろ、愛知県扶桑町にある私立A高から「野球をしていた生徒が落雷に遭った」と110番があった。犬山署によると、2年生の野球部員Bさん(17)=同県C町=が死亡した。

 

 同署によると、別の高校との練習試合中、投手としてマウンドに立っていた際に落雷を受けた。一時心肺停止となった。病院で脈が戻ったが、亡くなった。

 

 A高によると、練習試合は、雨が降ってきたため午後1時ごろいったん中断していたが、再開直後に落雷した。事故当時、ほかの生徒や野球部の保護者など、約100人がグラウンドにいた。

 

 試合再開時は遠くで雷鳴が聞こえた約10秒後、ドーンという音とともに稲妻が走り、Bさんが倒れたという。

 

 同校のD校長は「小さな雷を遠くに感じただけでも、このようなことが起きると肝に銘じたい」と話し、雷の対応マニュアルを作成するとした。

 

 名古屋地方気象台によると、未明から愛知県全域に雷注意報を発令していたが、同校は把握していなかった。(共同)

 

 ところで、最高裁判所平成18313日判決 があります。

 

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/789/032789_hanrei.pdf

 

 この判決は、サッカーの試合中に落雷にあい、重大な後遺症となった高校生の事件です。最高裁判所は、以下のような事実を指摘しています。

 

 A高校の第1試合が開始された平成8年8月13日午後1時50分ころには,本件運動広場の上空には雷雲が現れ,小雨が降り始め,時々遠雷が聞こえるような状態であった。

 

上記試合が終了した同日午後2時55分ころからは,上空に暗雲が立ち込めて暗くなり,ラインの確認が困難なほどの豪雨が降り続いた。

 同日午後3時15分ころには,大阪管区気象台から雷注意報が発令されたが,本件大会の関係者らは,このことを知らなかった。

 

 同日午後4時30分の直前ころには,雨がやみ,上空の大部分は明るくなりつつあったが,本件運動広場の南西方向の上空には黒く固まった暗雲が立ち込め,雷鳴が聞こえ,雲の間で放電が起きるのが目撃された。

 

 雷鳴は大きな音ではなく,遠くの空で発生したものと考えられる程度ではあった。

 

   (中略)

 

  A高校の第2試合は,同日午後4時30分ころ,上記気象状況の下で,本件運動広場のBコートで開始され,同校サッカー部員がこれに参加していたところ,同日午後4時35分ころ,上告人X1に落雷があり,同上告人はその場に倒れた(以下,この落雷事故を「本件落雷事故」という。)。

 

 どうでしょうか。以下の共通点があります。

 

① 雨が降って試合が中断している。

 

② 雨が止んですぐに試合を再開している。

 

③ 遠くで雷鳴が聞こえた。

 

④ 再開直後に落雷があった。

 

⑤ 落雷注意報が発令されていた。

 

⑥ 関係者は落雷注意報が発令されていたことを知らなかった。

 

 

 最高裁判所は、「同校サッカー部の引率者兼監督であったB教諭としては,上記時点ころまでには落雷事故発生の危険が迫っていることを具体的に予見することが可能であったというべきであり,また,予見すべき注意義務を怠ったものというべきである。」とし、B教諭等の責任を否定した1審、2審を破棄し、審理を高裁に差し戻しました。

 その後、高松高裁が差し戻し控訴審判決で約3億円の賠償を命令しました。


 なお、落雷事故については、上記裁判の原告側代理人としてかかわった望月浩一郎弁護士のホームページに詳しい報告と資料が掲載されています。

 弁護士望月浩一郎WebSite

 

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被疑者国選弁護の拡充

 法務省の法制審議会のなかで、「新時代の刑事司法制度特別部会」が、2014年7月9日、「新たな刑事司法制度の構築についての調査審議の結果」を発表しました。

 この部会は、もともとは検察官の証拠改ざんなどの不祥事をきっかけにつくられたものです。

 この中で、取調べの可視化(全面的な録画・録音制度)が求められてきました。とりまとめでは、不十分な範囲でしか認められず、批判的に報道されました。

 

 この「結果」には、外にも、問題点は多々あるのですが、良い点もあります。

 それは、被疑者国選弁護の拡充についてです。ここには、以下の記載があります。

 

 被疑者国選弁護制度の対象となるべき場合を「死刑又は無期若しくは長期3
年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件について被疑者に対して勾留状が発
せられている場合」(刑事訴訟法第37条の2第1項)から「被疑者に対して勾
留状が発せられている場合」に拡大するものとする。

 

 以前、国選弁護人は、起訴されないとつきませんでした。

 2008年から、勾留された被疑者の一部について、国選弁護人がつけられることになりました。この時は,殺人、放火、強盗致傷など、法律で定めた刑が重い事件に限られていました。

 2011年から、その範囲が拡大され、それなりの事件、たとえば、窃盗事件や傷害事件などでも、国選弁護人がつけられるようになりました。けれども、公務執行妨害、器物損壊、暴行など、法律で定められた刑が、比較的軽い事件については、国選弁護人はつけられませんでした。

 

 この審議会の部会の結果が、審議会でも承認され、法律になると、勾留された被疑者は、全て国選弁護人がつけられるようになります。

 公務執行妨害については、争いがあることもありますが、起訴されるまで国選弁護人はつけられませんでした。

 法律で定められた刑が、比較的軽い事件は、認めている事件でも弁護人がつくことで、本人が早く釈放される可能性がある事案もあります。むしろ、弁護人がつくことで、結果が大きく変わる可能性がある事件が多く含まれています。早期に立法されることを期待したいです。

 

 ただ、勾留というのは、逮捕されてしばらくして(72時間以内)、おこなわれるものです。逮捕直後については、国選弁護人を付する権利は未だありません。今後の課題となります。

 

 もっとも、今回の部会の結果にもその手がかりとなる改正案が盛り込まれました。以下の記載です。

 

弁護人の選任に係る事項の教示の拡充

 司法警察員,検察官,裁判官又は裁判所は,刑事訴訟法(第272条第1項
を除く。)の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たっては,
同法第78条第1項の規定による弁護人の選任の申出ができる旨を教示しなけ
ればならないものとする。

 

 この規定が法律になると、警察が被疑者を逮捕するときには、被疑者に対し「弁護人を選任できる。」と教えるだけでなく、「弁護士会に弁護士を派遣するように連絡することができる」と教えなければならなくなります。愛知県弁護士会の場合には、無料で1回だけ弁護士を派遣する「当番弁護士」の制度があります。ですから、逮捕された人が「じゃあ、弁護士会に弁護士を呼んで欲しいと言ってください。」と警察に頼めば、弁護士を知らなくても、お金がなくても、無料で、弁護士会が弁護士を紹介し、弁護士が逮捕されている警察署に出向いてくれます。

 現在も、もちろん「当番弁護士制度」はあります。弁護士会に連絡してくださいといえば、無料で弁護士を呼ぶことができます。けれども、警察は、法律上それを被疑者に教える義務まではないとされてきました。

 今回の案は、警察が、逮捕された被疑者に、当番弁護士を教える義務が生じると理解することができます。

 

 1990年、大分県弁護士会、福岡県弁護士会で始まった当番弁護士制度は、1992年には全国の弁護士会で行われるようになりました。弁護士会が、人権擁護の観点から行ってきた活動が、国選弁護人の制度として、徐々に拡充されてきたのです。

 次は、逮捕段階からの制度作りを目指すことになります。

 

 

 

(参考 刑事訴訟法第78条)

第78条  勾引又は勾留された被告人は、裁判所又は刑事施設の長若しくはその代理者に弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる。ただし、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。
第203条  司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
 
 
 
 
 
 
 

 

 

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取調べの可視化

可視化 オールくん
可視化オールくん

日弁連は、取調べの可視化の実現を目指しています。

 

「現在、被疑者の取調べは「密室」で行われています

 

日本の刑事司法制度においては、捜査段階における被疑者の取調べは、弁護士の立会いを排除し、外部からの連絡を遮断されたいわゆる「密室」において行われています。このため、捜査官が供述者を威圧したり、利益誘導したりといった違法・不当な取調べが行われることがあります。その結果、供述者が意に反する供述を強いられたり、供述と食い違う調書が作成されたり、その精神や健康を害されるといったことが少なくありません。

 

「裁判の長期化」や「冤罪」の原因となっています

 

そのうえ、公判において、供述者が「脅されて調書に署名させられた」、「言ってもいないことを調書に書かれた」と主張しても、取調べ状況を客観的に証明する手段に乏しいため、弁護人・検察官双方の主張が不毛な水掛け論に終始することが多く、裁判の長期化や冤罪の深刻な原因となっています。

 

最近でも、厚労省元局長事件、足利事件、布川事件など、裁判が長期化した事例や違法・不当な取調べによる冤罪事例が多く発生しています。」(日弁連ホームページより)

 

続きはこちらの日弁連のホームページをご覧ください。


 

「可視化オールくん」プロフィール

 

「取調室という密室の暗闇を照らす目を持つフクロウ。「オール」はフクロウという意味の英語「OWL」とともに、取調べの全過程(ALL)を録画する「可視化」を表しています。

 

 1990年代に大阪で生まれ、雌伏20年の時を経て、取調べの可視化法制化元年の2014年に颯爽と登場しました。

 

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専門について

 弁護士は、「専門」と名乗ってはいけないと言われてきました。その根拠を改めて確認しました。

 

 日本弁護士連合会の「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針」では「専門」について、次のように指摘されています。

 

 専門分野は,弁護士情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。しかし,現状では,何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。 弁護士として一般に専門分野といえるためには,特定の分野を中心的に取り扱い,経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解される。ところが,専門性判断の客観性が何ら担保されないまま,その判断を個々の弁護士にゆだねるとすれば,経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害もおこりうる。

  したがって,客観性が担保されないまま「専門家」,「専門分野」の表示を許すこと は,誤導のおそれがあり,国民の利益を害し,ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあることから,現状ではその表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト,プロ,エキスパート等といった用語の使用も同様である。
 なお,現実に「医療過誤」,「知的財産関係」等の特定の分野において,「専門家」と いうに値する弁護士及び外国法事務弁護士が存在することは事実である。しかし,弁護士間においても「専門家」の共通認識が存在しないため,日本弁護士連合会の「専門」の認定基準又は認定制度を待って表示することが望まれる。

 

 「経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害もおこりうる。 」この弊害のおそれを残したまま、自称専門家を許すような制度では、かえって弁護士全体が信用されなくなります。

 けれども、市民の皆さんには、分かりにくいですね。私たちが乗り越えないと、弁護士全体が市民の皆さんから信用されなくなることも心配です。

 とりあえず、自分の依頼者に信頼してもらうように、しっかり仕事をするしかないと思っています。

 

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運転免許の更新

 本日、運転免許の更新に行ってきました。

 5年ぶりです。講習のビデオの事故のシーンがCGなのですが、かなりリアルでした。

 愛知県は、交通事故死数全国1位だそうです。

 これまで、事故死の案件も扱ってきました。損害賠償を請求するものもありました。刑事事件の弁護という形もありました。どの事件も嫌なものです。改めて気をつけましょう。

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