労働判例の遊筆に掲載されました 

 労働判例を掲載している月2回発行の「労働判例」という雑誌。

 私も定期購読しています。

 このたび労働判例の2018年11月1日号 1185号の巻頭の「遊筆」の欄に、私のコメントが掲載されました。「過労死等の認定基準の改定を」と題し、まさに過労死等の認定基準の改定をもとめる内容のコメントです。

 11月は、過労死等防止対策推進法に基づく過労死防止月間。その月間を踏まえてのコメント、ということと、今年過労死弁護団全国連絡会議発足から30周年。そのような節目のときに「労働判例」に過労死弁護団の立場からコメントさせていただきした。

日弁連人権大会に行ってきました

日本弁護士連合会 日弁連 人権擁護大会 青森 JFBA

■人権大会とは

 

 日弁連は、弁護士の使命に基づき、人権問題の調査・研究、人権思想の高揚に資するため、毎年1回、東京都以外の地で人権擁護大会を開催しています。大会では、日弁連の人権擁護活動の報告、人権問題に関する宣言・決議が採択されています。

 また、大会にあわせて、毎回多数の弁護士、市民の参加を得て、重要な人権問題をテーマにシンポジウムが開催されています。〔日弁連ホームページより

 

 略して「人権大会」といわれています。

 今年は10月4日、5日と青森県青森市で第61回の大会が行われました。

 

 

■今年のテーマ

 

 第1分科会

 「外国人労働者100万人時代」の日本の未来

  ~人権保障に適った外国人受入れ制度と多文化共生社会の確立を目指して~

 

 第2分科会

  組織犯罪からの被害回復

  ~特殊詐欺事犯の違法収益を被害者の手に~

 

 第3分科会

  日本の社会保障の崩壊と再生-若者に未来を-

 

  の三つのテーマでシンポが行われ、行われました。

 

■第3分科会に出席

 

  私は、第3分科会に出席しました。

 

  内容は、極簡単に要約すると、現在の社会保障の中で若者は行きづらさを感じている。

  大学進学すると経済的に苦しく、奨学金を借りたり、アルバイトをしなければならない学生が多数い 

 る。ブラックバイトであったりすることもある。

 

  そうすると、大学の選択、就職先の選択も、失敗することは許されないと感じる。

  就職してもブラック企業といわれる企業も存在する。いつも「自己責任」が問われる。

  過労死、過労自殺もこのような社会の仕組みの中で減っていかない。

  

  諸外国に目を向けると、若者が、希望を持って社会に向かう気持ちで生活できる国がある。

 

  学費を無償化する。医療、介護の無償化。生活保護の充実。同一労働同一賃金の実現。

  出産、育児、失業に対する給付の充実。最低賃金の総額。住宅環境の整備。

  これらを社会保障として充実させることで、若者とこれを支える親の世代の上記に対する負担を減ら

 し一方でこれにふさわしい財源の確保をすることができるのではないか。そうすることにより、希望を   

 持って大人になり、生き生きと働き、そしてさらに若者のために社会を支えていく。こんな社会の仕組み 

 を作ることができれば、若者の生きづらさが解消できるのではないか。

 

  こんな提案をするシンポジウムとそして決議でした。

  決議

 

  2018年人権大会の決議

 

感想

 

 今の若者を全体としてみると昔とずいぶん変わっていると改めて考えさせられました。また、どんな制度も そうですが、社会の仕組み、デザインはとても大事で、それによって大きく人の行動は変わっていくことを考えさせられました。良くない社会の仕組みは、そんなかでうまく頑張れる人がいても、多くの人が苦しむ結果になってしまいます。それはよくありません。どの様な精度がいいのかはこれからも色々議論していく必要があります。

 

弁護士の使命

 弁護士法第1条には次のような定めがあります。 

第一条

1 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。

2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

 

 人権擁護大会は、この弁護士の使命に基づき、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力するために行われています。昨年は欠席してしまいましたが、人権大会に出席することは、弁護士法1条の精神を自覚することができる大切な行事であると実感しました。

  

5周年

過労死等防止対策シンポジウム 愛知会場
2018年の過労死等防止対策推進シンポジウム

 岩井羊一法律事務所は、2013年(平成25年)10月1日に開設しました。

 今年満5周年を迎えました。

 

 この間、過労死事件、すなわち過労死等(過労死、過労自殺、脳・心臓疾患、精神疾患)で亡くなったり、仕事ができなくなったりした方の救済することを中心に弁護士活動をしてきました。

  

 事務所を設立してからの5年間、過労死を巡り大きな動きがありました。

 2014年6月には、過労死等防止対策推進法が成立し11月に施行されました。

 11月の啓発シンポ。そして、学校への啓発事業等、過労死弁護団が対外的にも役割を持つようになりました。今年の11月は4回目です。

 「過労死」が法律で定義され、国がその言葉を使うようになりました。

 

 2016年には、電通の女性の新入社員の自殺事件が大きな社会問題として注目を浴びました。これを契機に働き方改革が叫ばれるようになりました。労災認定、会社の謝罪にとどまらず、刑事事件にも発展しました。

 2018年、大変不十分な働き方改革関連の法が成立しました。

 

 2018年、過労死弁護団全国連絡会議は丸30周年。

 過労死等の認定基準について改定の意見書を作成し、厚生労働省に提出しました。

  

 ここからは個人的なことを少し紹介します。この間、いくつか勝訴判決を得ました。すでにホームページで紹介していますが、以下がこの間に得た判決です。

 2014年1月25日、名古屋地方裁判所で過労自殺事件の損害賠償請求事件で勝訴。

 2016年4月21日、名古屋高裁でバスの運転士の自殺事件で逆転勝訴。

 2015年11月18日、名古屋地裁で、うつ病の悪化に業務起因性を認める自殺事件での勝訴判決。   

 2016年12月1日に高裁もそれを維持。

 2017年2月23日、名古屋高裁でトヨタ系列会社の過労死事件で逆転勝訴。

 2016年12月22日、岐阜地裁で、岐阜市職員の自殺事件の公務災害を認める勝訴判決。2017年7月6日これを維持する判決。

 

 もちろん、これらの判決はいずれも弁護団事件で、他の弁護団の活動によるところも多いのです。いずれも家族をなくした不幸な事件でしたが、仕事が原因であることが認められました。

 

 この間、公益法人愛知県労働協会の労働法講座で講師をしたり、講演会を担当させていただく機会もいただきました。

 

 精神障害の労災認定件数は、毎年増加傾向にあります。脳・心臓疾患の労災認定件数も横ばいで減少傾向にあるとはいえません。

 

 途中で請求を断念した事件もありました。認められなかった事件もありました。

そう言った事件を含めて、多くの遺族が勇気を出して立ち上がったことが、企業に対し、責任を認めさせることにつながり、過労死等の防止につながっています。

 

 それでも過労死等が増加傾向にあるのは残念です。

 つい先日も三菱電機では、「過去5年間に長時間労働などが原因で精神障害や脳疾患を起こし、2014~2017年に労災認定された男性社員5人のうち、3人に『裁量労働制』が適用され、1人は過労自殺していたことがわかった。」との報道がありました。

 

 これからも、過労死等の問題を中心に、過労死等の被害者の救済と過労死等の予防をするために活動していきます。

 

 

2018過労死等防止対策推進シンポジウム

毎年11月は過労死等防止月間です。

厚生労働省主催で過労死等防止対策推進シンポジウムが全国で行われます。

愛知会場は2018年11月20日火曜日午後です。

 

場所は名古屋国際センター別棟ホール

名古屋駅から地下道を歩いて行くことできます。

地下鉄桜通線で国際センター駅からならば直結しています。雨でも濡れずに会場まで行けるということ。

 

過労死等防止対策推進シンポジウム
2018年過労死等防止対策推進シンポジウムチラシ

 今年は長時間労働の防止を真剣に議論します。

 特に、会社の人事担当、労務管理するかた、社長さん、管理職の方に聞いてもらいたい内容です。

 申し込みや下記のwebから。

脳・心臓疾患及び精神障害のうち裁量労働制対象者に係る決定及び支給決定件数 (平成26年度~平成29年度)

 厚生労働省から、平成26年度から平成29年度の脳・心臓疾患及び精神障害のうち裁量労働制対象者に係る決定及び支給決定件数(平成26年度~平成29年度)が発表されている。

 

 平成26年から平成29年の認定件数の変化を見ると

 

 脳心臓疾患では7件、3件、1件、4件となっている。

 うち死亡は  1件、3件、0件、2件となっている。

 

 精神疾患では、7件、8件、1件、10件となっている。

 うち自殺、自殺未遂は1件、2件、0件、5件となっている。

 

 平成29年度は、裁量労働制として働いていたが法定件数を満たしていない事業も含めて集計したとのことである。

 

 認定件数は多くても全国10件程度であり、傾向はこれだけではわからない。

 

 ただ、平成29年度の認定件数が増加し、自殺者数も増えていることは気になる。 

 これが、今後同じ傾向で進むとしたら、裁量労働制が濫用の危険があるということの証拠になる可能性もある。

 

 今後もこの推移を見ていく必要がある。

 

 ※裁量労働制とは→厚生労働省のホームページ 裁量労働制の概要

2017年度の過労死等の状況

 厚生労働省が、2017年度の過労死等の労災認定の件数を発表しました。

 

 「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されているものをさしています。  

 

厚生労働省は次のように発表しています。

 

 脳・心臓疾患について

(1)請求件数は840件で、前年度比15件の増となった。

(2)支給決定件数は253件で前年度比7件の減となり、うち死亡件数は前年度比15件減の92件であった。    

 

 

 ちなみに請求件数が多かったのは2006年の938件  

 認定件数が多かったのは2007年の392件  

 死亡の認定件数が多かったのは2002年の160件

 

 です。

 

 これと比較すると今年は、若干減っているように思えます。    

 ただ、ここ3年請求件数は増え続け、認定件数も若干減っている程度です。

 昨年は死亡件数が100人を下回りましたが、それでも92件が過労死と認定されています。

 

厚生労働省は   

 

 精神障害について

(1)請求件数は1,732件で前年度比146件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比23件増の221件であった。

(2)支給決定件数は506件で前年度比8件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比14件増の98件であった。 

 

と発表しています。

 

 請求件数 過去最高

 認定件数 過去最高

 自殺の件数 2014年の99件についで2番目

 

 こちらは深刻な状況です。

 過労死等防止法ができ

 電通の事件等で問題が指摘され、

 このような中で、労災認定件数が増えている。請求件数も増えている。自殺者も多い。

 異常な事態です。

 

 発表には職種別、年齢別など興味深い分析もあります。

 

 より一層過労死等防止のための活動に取り組まなければと考えさせられました。

 

過労死等 請求件数 認定件数 死亡 自殺
過労死等の労災請求件数、認定件数、死亡県すんの推移

 

 上記は、厚生労働省のホームページで発表されている過労死等の請求件数、認定件数、そのうちの死亡件数を私の方で打ち込んでまとめたものです。

 

 精神障害についての労災の認定請求の数数、認定件数が急速に増えている様子が分かります。

 

 死亡件数は、精神障害が徐々に増えています。脳・心臓疾患は少し減っていて、今は脳・心臓疾患と精神障害がおなじくらいになっています。

 

 精神障害の「勢い」を止めないと大変です。

 

働き方改革法成立

 2018年6月29日、働き方改革関連法案が成立した。

 

 その中でも問題なのは「高プロ」

 高収入の専門職を労働時間規制から外すことができるというものです。

 年収1075万円以上。本人同意などが要件になっています。

 しかし、そもそも「労働時間規制」から外す仕事をを設ける理由は全くありません。働き過ぎを規制する方法を放棄した制度です。

 

 今日の新聞で髙橋まつりさんのお母さんについてつぎのとおり報道されました。

 

 「残念という気持ちと絶望。心の中で『まつり、これが日本の姿なんだよ』と、つぶやきました。」「私は娘を守れなかった。間違った法律を作らせないことが、私の責任だと思って」。祭りさんの遺影を抱えたまま目に浮かべ、議場をじっと見つめた。(2018年6月30日 中日新聞 朝刊)

 

 労働時間を規制しない労働制度ができることになってしまいました。

 残業0法。この制度で過労死が増えることをが懸念しされます。 

 

 この制度を悪用されないように利用されないように、これから注視していく必要があります。

2018年 過労死110番おこないます

森 自然

  2018年も過労死弁護団全国連絡会議などで構成する過労死110番全国ネットが過労110番をおこないます。この過労死110番は、1988年に始まったそうですから、今年はちょうど30年。31回目の過労死110番です。  

  

  開催は2018年6月16日土曜日  

 

  愛知県の電話番号は 0120-590-560 です。  

 

  通話は無料携帯電話からでも繋がります。  

 

  当日の10時から15時までです。電話で相談できます。相談料も無料です。 

 

  電話で相談にのるのは、過労死事件の経験のある弁護士です。 

  過労死110番ネットワークのホームページもリニューアルしました。

 

 

  家族が亡くなった。過労死ではないか? どうしたらいい教えてほしい。

 

  自分が過労気味だ。会社にどう言ったらいい?  

 

  家族が毎回夜遅く帰ってくる。心配だ。どうしたらいい。

 

  相談にのります。

 

  愛知県以外の人は過労死110番全国ネットワークのホームページで近くの相談できる電話を見てください。

 

  

知ってください 当番弁護士

逮捕 当番弁護士

   逮捕されたときには、弁護士を呼んで下さい。警察の人に「当番弁護士をよんでください。」と言ってください。

 

  もし「当番弁護士」という言葉を忘れてしまったら「無料で来てくれる弁護士を頼んで下さい」と言ってください。

 

 2018年6月1日から、勾留された被疑者は、国選弁護人をつけることができるようになりました。

 これまでは、暴行、公務執行妨害、器物損壊、入管法違反(いわゆるオーバーステイ)など、法律に定められた刑が軽いものは、国選弁護が頼めませんでした。

 

 上記の「勾留」というのは、逮捕から最大72時間以内になされる裁判官による決定でなされる身体の拘束です。

 逮捕されて72時間以内に裁判官が、さらに10日捕まえておいていいと判断すると、逮捕した人をさらに決定した日を含め10日間の勾留することができます。要件を満たせば、最大20日間捕まえておくことができます。

 

 裁判官が勾留してよいと認めた事件には、この6月1日から、どんな事件でも国選弁護人をつけることができるようになったのです。

 

 被疑者国選人は、2006年に、殺人、放火等の法律で定めた刑が重いものについてつけることが認められるようになりました。

 それまでは、起訴されてからしか国選弁護人をつけることはできませんでした。

 捜査段階で弁護人に相談することができず、うその自白をしてしまった人もいます。

 

 2009年に、窃盗や覚せい剤取締法違反など多くの罪名について、依頼ができるようになりましたが、全ての刑にまでは認められませんでした。

 

 2018年6月1日、全ての勾留された事件について、国選弁護人を付けることが認められるようになったのです。

 

 しかし、逮捕されてから勾留されるまでの間は、国選弁護人をつけることができません。

 

 逮捕されたときには、弁護士を呼んで下さい。警察の人に「当番弁護士」をよんでください。

もし「当番弁護士」という言葉を忘れてしまったら「無料で来てくれる弁護士を頼んで下さい」といって下さい。

 

 全国の弁護士会は、その日の「当番」の弁護士がその人に会いに行く制度をもっています。当番の弁護士がかけつけるから「当番弁護士」とよんでいます。弁護士の費用は無料です。

 

 1990年,大分県弁護士会、福岡県弁護士会で始まった当番弁護士制度は、瞬く間に全国に広がりました。1992年には,全国52の全ての弁護士会で実施されるようになりました。

 

 逮捕された人に弁護士が1回無料でかけつけます。弁護士の費用は、弁護士が自分たちで集めた会費の中から、当番弁護士にいった弁護士に払っています。

 

 当番弁護士で会いに行き、その弁護士は、お金がない人に弁護士会が弁護士費用を立て替えて担当弁護士に払う制度を利用して弁護人になっていました。その費用も弁護士会が弁護人に支払っていました。

弁護士会が払う弁護人の費用の財源は弁護士会の会費です。

 

 いまも、逮捕されてから勾留されるまでの間、お金がなくて弁護士を依頼できない人のために、当番弁護士制度があります。

 

 警察は、逮捕した人に、弁護士を頼む権利があることをいわないといけません。法律があります。でも、当番弁護士は法律に定めた制度ではありません。警察の人はそこまで説明してくれません。

 そのため、逮捕された人の中には、お金を払わないと弁護士が来てくれないと思ってしまう人がいます。

 

 皆さん逮捕されたときにどうするのかなんて関心がないからでしょうか。

 国の制度ではないからでしょうか。

 1992年からある制度なのに、弁護士会の「当番弁護士」をまだ知らない人がたくさんいます。

 

 知っていても、逮捕されても、自分は、弁護士に相談する必要はない、と思っている人もたくさんいます。捕まった当初、動揺していて、説明を受けても、頭がそこまで回らない人もいます。

 

 逮捕されてからのすぐの取調にどのように対応するのかはとても大切です。まず、弁護士に相談するのはとても大切です。

 

 逮捕されたときには、弁護士を呼んで下さい。警察の人に「当番弁護士をよんでください。」と言ってください。

 

  もし「当番弁護士」という言葉を忘れてしまったら「無料で来てくれる弁護士を頼んで下さい」と言ってください。

 

 ※こちらもご覧下さい。 

  逮捕されたら  愛知県弁護士会ホームページ

 

過労死弁護団、認定基準の改定意見書提出

 今日、過労死弁護団全国連絡会議は、厚生労働省に脳・心臓疾患の認定基準心理的負荷による精神障害の認定基準を改定すべきとの改定意見書を提出しました。

 

 脳・心臓疾患の認定基準では発症前1か月100時間、発症前2~6か月で1か月平均80時間をこえる時間外労働がなければ、業務上と認定されません。

 過労死弁護団は、1か月65時間の時間外労働で業務起因性が認められるべきだとの意見を述べました。

 

 精神障害の場合にも同様に1か月65時間の時間外労働があった場合には業務起因性が認められるべきだと意見を述べました。

 

 また、パワーハラスメントの内容を明確にし、これまでより認定しやすくするべきだと主張しています。

 

 脳・心臓疾患の認定基準は2001年にできてから改正されていません。

 精神障害の認定基準も2011年にできてから改正されていません。

 裁判例や文献もあります。

 厚生労働省にはしっかり検討をしてもらいたいと思います。

 

 私は、精神障害の認定基準についてとりまとめを行い、厚生労働省で説明をし、記者会見でも説明させていただきました。

 

 日経弁護士ドットコムで報道されています。

 

改めて高プロに反対

時計 サラリーマン

 5月17日、2件の過労死のニュースが報道された。

 

 テレビ朝日のプロデューサーが2015年2月に心不全で死亡していたというもの。三田労基署が同年に労災認定していたという。新聞報道によれば、2013年7月に狭心症を発症。発症前の時間外労働は70時間から130時間だったとのこと。「管理監督者」に当たるとして、残業代は支払われていなかったようである。

  

 もう一件は、IT企業に勤務する28歳の男性。2017年8月、くも膜下出血で死亡し、2018年4月、池袋労基署が労災認定した。裁量労働制であったとのことである。6月には、午前1時20分にSNSに「うおー!やっとしごとおわったー!!社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたのはじめてやがな。」と投稿していたとのこと。

 28歳の若さでくも膜下出血など通常は考えにくい。相当厳しい業務であったことが伺える。

 

 2人とも、(合法であったかはともかく)時間外労働について労働時間に応じて賃金が支払われる制度になっていない。そのような制度の下で長時間労働による過労死がおこった。

 

 私も、固定残業、管理監督者などを理由に、実際に残業代が払われていない労働者が過労死、過労自殺した事案を担当した。

 時間外労働の割増賃金は、時間に応じて割増で時間外労働に対する賃金を支払うことで、使用者に残業を抑制させ、従業員の健康を守るところに制度の理由がある。この制度を緩めれば、長時間労働が行われる可能性が高まる。

 

 現在でも、固定残業代を払っているとして、実際には固定残業代を上回る時間外労働をしていても時間外労働の割増賃金を支払っていない事業場もある。

 労働基準法にいう管理監督者にあたらないのに、管理監督者であることをりゆうに時間外労働の割増賃金を支払っていない事業場もある。

 

 悪用されないような制度設計をすることも必要だ。

 

 現在、国会で審議されている「高度プロフェッショナル制度」は、「管理監督者」(そう言われている人のなかには実際は違法な運用の場合もある)、裁量労働制よりも、さらに時間外労働の規制が緩い。といううより、時間外労働の規制が及ばない。

 

 大切な命を危険にさらす高プロには反対だ。 

  

2018年 過労死110番

2018年の過労死110番の予告

 

2018年6月16日土曜日 午前10時から午後3時まで

に行います。

 

愛知の電話番号は後日お知らせします。

当日専用電話

 

0120

 

相談料無料。通話料無料。

 

過労死110番は、今年で30周年 31回目の110番です。

 

過労死、過労自殺、過労で病気になった方、過労で困っている方、ご相談ください。

 

 

「風は西から」

風は西から

 村山由佳さんの「風は西から」(幻冬舎)という小説を読みました。

 

 過労自死の小説があるということを、ネットのニュースで見ました。もともと新聞小説として連載されていたものとのこと。申し訳ないことに、村山由佳さんを存じ上げませんでした。2003年の直木賞作家。恋愛小説を書かれている方だそうです。

 

 過労自死の事件がどう小説になっているのか読んでみたいと思い購入しました。

 

 物語のすすめかた。物語の構成力。それに現実感をも立たせる描写。

 作家の力を感じました。

 

 この本の帯には次のように記載されています。

「大手居酒屋チェーン「山背」に就職し、繁盛店の店長となって張り切っていたはずの健介が突然、自らの命を絶った。なぜ彼の辛さをわかってあげられなかったのかー恋人の千秋は悲しみにくれながらも、同じく息子の死の真相を知りたいと願う健介の両親と協力し、「労災」の認定を得るべく力を尽くす。…」

 

 健介さんが命を絶つのは、この本のちょうど真ん中あたり。そこまでの様子を克明に画いていく前半に読み応えのありました。

 

 過労自死が、小説になるほど社会に認知されることに、残念な思いもあります。

 

 けれども、このような小説が多くの人に読まれることにより、過労自死の問題を多くの人に知ってもらうことができるのであれば、良いことだと思います。

 

 

 

   

高プロに反対

 平成29年9月8日付で厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問のあった「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」(以下「働き方改革推進法案要綱」又は「法律案要綱」)について、同年9月15日に労働政策審議会は「概ね妥当と認める」答申をした。

 

 ただし、労働条件分科会の報告においては、労働者代表委員から、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大と高度プロフェッショナル制度に対する反対意見が付された。

 この法律要綱案には、裁量労働制の範囲拡大と高度プロフェッショナル制度が含まれていた。

 裁量労働制の拡大については今回法案にもりこまれなかったが、高度プロフェッショナル制度は法案の中に盛り込まれた。

 

 そして、ついに平成30年4月これらが閣議決定された。

 高度プロフェッショナル制度の問題については、日本労働弁護団が、すでに詳細な意見書を発表している。

http://roudou-bengodan.org/wpRB/wp-content/uploads/2017/11/a5bd7381d07420555fc5d0c973133bd6.pdf

 

 高プロとは、導入要件が満たされると、対象労働者に対しては労働時間規制の 一部が適用除外となるため、1日8時間・週40時間の規制、休憩時間の 規制、時間外労働・休日・深夜も含めた割増賃金の規制など、全ての労働 時間規制が適用除外となる制度である。

 

  本来、労働時間規制および割増賃金は、長時間労働を抑制する目的を有し ている。その足枷が外れれば、際限なき長時間労働となってしまう。

 

 色々説明がなされているが、規制を外せばその労働者の中には絶対に長時間労働をする労働者が発生する。だからおかしな制度だし、そのような制度を導入してはならない。

 

 

 これについて、4月7日の各紙の社説が意見を述べている。

 

 中日新聞 東京新聞

「働き方法案 これでは過労死防げぬ」と題し、

「高プロは法案に盛り込まれた。野党から「スーパー裁量労働制」だと批判もでている。法案は国会論議を通し再考すべきだ。

 残業時間の上限規制など働く人を守る規制強化と、官邸主導で進めてきた規制緩和を同時に進めることは矛盾する。多くの人は仕事への強い責任感がある。そこにつけこんだような制度をつくり働かせていいはずがない。制度のありようは、働く人の命にかかわると政府は自覚すべきだ。」   

 と、明確に反対している。

 

 

 朝日新聞

「働き方改革 労働者保護に焦点絞れ」と題し、

「だが法案には、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度高プロ)」の新設も盛り込まれた。

 長時間労働を助長しかねないと、多くの懸念や不安の声がある制度だ。緊急性の高い政策と抱き合わせで拙速に進めることは許されない。切り離して、働き過ぎを防ぐ手立てや制度の悪用を防ぐ方策を、しっかり議論するべきである。政府・与党に再考を求める。」

 「野党は、働く人々を守る規制の強化に重点を置いた、働き方改革の対案を準備している。高プロを関連法案から切り離せば、与野党が歩み寄り、話し合う余地は生まれるはずである。

 だれのための働き方改革か。政府・与党はそのことを考えるべきだ。」

 朝日新聞も高プロには反対している。

 

  毎日新聞

「働き方改革を閣議決定 残業時間の規制が原点だ」と題している。

 その社説の中には、

「労働時間よりも独創性によって労働の価値が決まる仕事の場合は、高プロや裁量労働制について議論する意義はある。」

 と裁量労働制や高プロに「意議がある。」としてしまっている。これは残念である。

 日本労働弁護団は、高プロについて次のように指摘している。

「現在、多くの企業では、月額賃金がほぼ固定された月給制がとられており、 高度プロフェッショナル制度の適用を受けたとしても、それらの賃金制度が 変わる保障はない。一方、現行法上も成果型賃金制度や、労働者を所定労働 時間よりも早く帰して賃金減額をしない制度の導入は可能である。 あたかも高度プロフェッショナル制度の導入により成果型賃金制度が実現 できるかのような虚偽の宣伝・報道が繰り返されていることは極めて問題で ある。」

 労働時間より独創性によって労働の価値が決まる仕事があったとしても、高プロや裁量労働制でそのようなことを評価する賃金体系にはならない。そのことをこの社説は理解していない。 

 毎日新聞の社説も

 「しかし、現実には残業代を抑えるため、裁量労働を適用できない人に適用して長時間労働をさせることが横行している。」

 として、弊害があることは、認めている。しかし、高プロは、制度自体に問題がある。もっと明確に論じてほしい。

 

 

 読売新聞の社説(4月15日時点ではすでに公開されていない。)は、

 「働き方改革 国民の不信感払拭に努めよ」という表題で

 

 「新制度は、一定の職種について、賃金と労働時間を切り離し、成果で評価するものだ。仕事の多様化に対応し、効率的な働き方を促す狙いは、時宜にかなっている。」として、高プロを評価し、法案成立を求めている。表題にあるように、不信感だけが問題とされている。

 

 高プロの問題点を正確に伝えていない。

 

 

 

 日経新聞の社説は「 働き方改革法案を今国会で成立させよ」と題して、法案成立を求めている。

 

 この社説は、裁量労働制について「仕事の時間配分を本人にゆだねる裁量労働制の対象拡大が調査データ不備で先送りされたのは残念だが、法案が成立すれば、米欧に比べ見劣りする日本の生産性を高める効果は大きい。」としてる。

 

 また、高プロについて「野党は高度プロフェッショナル制度について「残業代ゼロ」制度と批判を強め、その創設を裁量労働制の対象拡大に続いて法案から削除するよう要求している。だが、生産性の向上を促す新制度を企業が使えなければ、日本の国際競争力が落ちる恐れがある。それでは従業員も不幸になる。政府は新制度創設を含めての法制化をあくまで貫くべきだ。」としている。

 

 しかし、現在法案となっている高プロは、対象労働者の年収要件が労働者の平均年間給与額 の3倍であり、およそ1075万円であると説明されている。この条件に当てはまる労働者がどれほどいるのか、それが国際競争力に影響があるほどの生産性を高める改革になるとはおもえない。

 

 つまり、日経は、いったん導入したあと、その適用範囲を広げ、残業を払わないで安価に働かせる労働力を確保して国際強労力をたかめるべきだと、そのようにはっきり意見を述べているのである。

 とても、賛成しがたい。  

 

 

 それぞれの 新聞社が、意見を明確にし、議論の材料を提供するのはよいことである。しかし前提となる事実を正確に報じてこそである。けっして多数の意見だから、与党の意見だからといって、法案が正しいわけではない。

 高プロは、裁量労働制よりもさらに長時間労働を招く危険な制度である。絶対に成立させるべきではない。

 

 

 

 

ノーモアヒバクシャ愛知訴訟 高裁で逆転勝訴 

 2018年3月7日、名古屋高裁民事第4部(8藤山雅行裁判長)はノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟の長崎の原爆被爆者2名に逆転勝訴の判決を言い渡しました。

 

 ノーモア・ヒバクシャ訴訟は、被爆者援護法の原爆症であるとの認定を求めた4人の原告がいました。

 

 名古屋地方裁判所は、4人の原告がいずれも放射線に起因する病気であったと認めました。そして、そのうちの2名は、原爆症のもう一つの要件である医療の必要性も認め、被爆者援護法の対象と認めました。控訴した被爆者2人の申請疾病については、いずれも放射線起因性を認めながらも、要医療性について否定していました。

 2名は経過観察のために通院しているだけでは「医療」が必要だとはいえないとしたのです。

 

 名古屋高裁判決は、要医療性について、「被爆者援護法の「医療」は、積極的な治療を伴うか否かを問うべきではなく、被爆者が経過観察のために通院している場合であっても、認定に係る負傷または疾病が「現に医療を要する状態にある」と認めるのが相当である」としました。

 

 これは、被爆者を救済するという被爆者援護法の趣旨に合致した解釈であり、要医療性を狭くとらえている国の運用を厳しく批判したものです。

 

 原告のお二人は高齢です。この判決が上告されれば、さらに確定が遅れることになります。

 いま、支援の皆さんは上告するなの声を国に届けようと運動しています。

 

 よろしければご協力ください。

 https://drive.google.com/file/d/1d33BRUi1p1pjyFDFU5AT-y3IWI4z0mX8/view?usp=sharing

焼身自殺の闇と真相

 毎日放送の奥田雅治さんが本を書きました。

 

 「焼身自殺の闇と真相 市営バス運転手の公務災害認定の顛末」

 

 奥田さんは、現在は毎日放送の報道局次長兼番組部長。長年プロデューサーとしてドキュメンタリー制作に関わってきました。

 

 私も弁護団の一員である名古屋市バス事件を長年取材し、ドキュメンタリーをつくりました。「映像’16 追い詰められた”真実”~息子の焼身自殺と両親の9年~」でギャラクシー賞などを受賞しています。

 

 そのドキュメンタリーの内容を1冊の本にまとめられました。

 

 名古屋市バス事件は、2007年にご本人が自死されてから2016年に公務災害の認定訴訟が高裁で公務災害との判断が出て確定するまで9年間かかりました。

 

 私は、2013年に裁判をおこしてからの関わりですので、高裁判決までは、4年間の関わりです。

 しかし、奥田さんは、この事件がおきてまもなくから、9年間ずっと取材を続けてきました。公務災害申請、弁護団会議、法廷、この事件の初めから判決まですべてを知っています。ときには、自ら相手方当事者に取材し、真相を聞き出しています。審査会を担当した弁護士にも取材をしています。

 

 その顛末が本になっているのです。

 

 弁護士が、事件の内容を書いた本はあります。

 私は、藤本正弁護士(故人)の電通事件の経験を書いた

 

  ドキュメント「自殺過労死」裁判―24歳夏 アドマンの訣別 

 

 を何度も読みました。

 本当に引き込まれる裁判の記録です。 

  

 また、記者の方が、判決の後、事件を遡って取材し本を書かれることもあります。

 私の担当した事件も書いていただいたルポライターの斉藤貴男さんの

 

   「強いられる死 ---自殺者三万人超の実相」

 

 は裁判が終わった後に取材をうけて書かれた本でした。

 ほかにも過労死のことを取り上げた本はたくさんあります。

 

 けれども、この本は、これらと違います。

 

 事件が起きた当初から、高等裁判所で判決が出るまでのことを、すべて同時進行で取材をし、その内容を本にしているのです。圧倒的な取材の量を元にかかれているのです。

 

 そして、弁護士や、当事者が書くのではなく、ドキュメンタリー制作のプロが、感じたことを書いているので、第三者の視点で伝えられています。そのため、読み手に分かりやすく伝えています。

 

 遺族の山田さんのご夫妻が、この事件のときどきに、取材に答えて、あるいは支援者に向かって語っていた言葉。大切な言葉をきりとって、紹介しています。

 

 尊敬すべき大先輩の水野幹男弁護士の執念の弁護活動がリアルに描かれているところが。また、すばらしいです。

 

 私自身のつたない尋問の様子も収録されています。弁護団会議での思いつきで話していた内容まで収録されていて、気恥ずかしい限りです。

 

 こんな本は、これまでなかったし、これからも出せないのではないかと思います。是非、多くの人に読んでほしいと思います。

 

 

   

愛知県弁護士会「真の働き方改革」

 昨今,「ブラック企業」が珍しくないだけでなく、有名大企業においても若年労働者の過労死・過労自死が相次ぎ、政府からも「働き方改革」というスローガンが打ち出されるに至っています。しかし、政府の「働き方改革関連法案」の内実は、過労死を促進し、残業代はゼロとされ、労働者が定額で働かされ放題となる、労働法改悪に他なりません。

 

 他方で、長時間労働や過重労働は、個人の生活を犠牲にして辛うじて成り立っていることが多いところ、ワーク・ライフ・バランスを見直して個人の人生を充実させるための「生活時間」を取り戻そうという動きが民間から出始めています。

 

 そこで、政府の「働き方改革」を批判的に検討した上で、過重労働や過労死を生み出す構造的な原因を探りつつ、労働者一人一人が充実した人生を送れるようになるための真の「働き方改革」とはどうあるべきかについて、基調講演とパネルディスカッションを通じて考えます。

 

愛知県弁護士会の「真の働き方改革」 2018年2月24日 午後1時からです。

NHK記者の佐戸未和さんのご家族からのお話があります。

中村和雄弁護士 棗一郎弁護士のお話しもあります。

時宜にかなったタイムリーな企画。是非ご参加を。

新年のご挨拶

 あけまして おめでとうございます。

 

本年もよろしお願い申し上げます。

 

新年は、熱田教会の祈祷会ではじまりました。

写真は、熱田教会の会堂。そして、神宮西の駅の飾りです。

 

「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。」 ローマの信徒への手紙/ 12章 12節

熱田教会に与えられた2018年の聖句です。

 

 

過労死ゼロの社会を

 過労死ゼロの社会を 高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか 高橋幸美、川人博 著 連合出版 を読みました。

 

 もうすぐクリスマスです。クリスマスには、毎年悲しい事件を思い出さなければなりません。高橋まつりさんは、2015年12月25日に自死しました。

 

 この本は、その2015年12月25日に自死した電通の高橋まつりさんのお母さんの高橋幸美さんと、高橋まつりさんの自死を過労自殺だとして労災申請をし、さらに電通との交渉を担当した川人博弁護士の共著の本です。

 

 内容は、高橋まつりさんの労働状況について分析した川人博弁護士の執筆部分。そして、高橋祭りさんの生まれてから亡くなるまでを記したお母さんの手記からなります。

 

 電通との合意に従って行われた電通における川人博弁護士の講演の内容が収録されています。

 

 高橋まつりさんの写真もたくさん収録していて、故人の様子が伝わってきます。幸せそうな写真、楽しそうな写真に、一人のかけがえのない人生がわずか24年で終わったことの無念さ、悲しさが伝わってきます。人の命のたいせつさが伝わってきます。

 

 川人弁護士執筆部分では、電通が、入退場の時間管理のシステムをもっていながら、その記録を労働時間と数えさせないというやり方行われていたこと。

 明らかな長時間労働であったことをだれも止めようとしないこと。

 電通におけるパワハラ、セクハラの実態。

 これらを詳しく指摘しています。

 

 電通が、労基法違反で起訴された刑事裁判の内容も紹介されています。

 高橋さんの事件の全てが書かれている本となっています。

 

 社会に出ようとしている若い人にも是非読んでほしいと思います。そして、会社や組織で人を使っている人にも是非読んで欲しい本です。

 

 過労死を取り扱っている弁護士としては、川人博弁護士がどのように調査をし、労災認定につなげていったのかという実務的な観点からも参考になりました。

 

 高橋まつりさんの短い生涯が、世の中のかわるきっかけとして活かされることを祈ります。

 

 

もしもあなたが大災害にあったら~災害時のトラブル解決~

紛争解決センター 20周年記念行事
紛争解決センター 20周年記念行事

 12月8日金曜日、愛知県弁護士会紛争解決センターは、20周年記念行事として、名古屋市ともともに、シンポジウムを行いました。

 

 もしもあなたが大災害にあったら~災害時のトラブル解決~

 

 災害が生じたときにも、弁護士会が話し合いのあっせんをし、トラブルを解決する方法について、市民の皆さんに紹介しました。

 

 シンポジウムでは名古屋市防災危機管理局地域防災室の加藤誠司室長から、名古屋市で大地震、水害があったときにいったいどのくらいの地域がとくに危険なのか。その際、どのような備えが必要なのか、詳細な説明がありました。名古屋城から熱田神宮までの熱田台地とよばれる台地があるが、その西側が特に危険であるが、東側には断層もあり、直下型地震の危険があるとのこと。じっくり聞いて、危険は日常から予想し、想定しておくことが必要だと感じました。

 

 私は、愛知県弁護士会の災害ADRの仕組みを紹介させていただきました。

 

 後半は、兵庫県弁護士会の津久井進む弁護士、仙台弁護士会の斉藤睦男弁護士、熊本県弁護士会の阪本秀德弁護士をパネリストとしてパネルディスカッションを行いました。

 

 改めて、阪神淡路大震災、東日本大震災、そして熊本地震のそれぞれの大地震の大きさ、被害の重大さを、写真、データ、エピソードをふまえて紹介してもらいました。食料が買えなくなくなる、コンビニに食料が入荷されてもすぐに売り切れになる。移動するのに大渋滞になる。ガソリンを入れるにも行列になる。避難生活の疲労。などなど、テレビで断片的な情報を見るだけは分からないことをお話しいただきました。体験した方に話を聞くことで、災害の被害の大きさを再認識させられました。

 

 そして、それぞれの地域の弁護士が、地震が来るとはおもわなかった.地震はいつでもどこでも起こるということを実感した、と話しました。愛知県は大きな地震が来ると言われています。しかし、そのことをもっともっとこころの備え、そして具体的な備えとして準備しておく必要があると感じました。

 

 東日本、熊本では、弁護士会が、震災によるトラブルについて解決する震災ADRをすぐに立ち上げ、多くの事件を解決してきたという経験が披露されました。弁護士は、復興のために建物も直せない、怪我も治せない、弁護士ができることは人と人との関係を復興させることができる、という言葉になるほどと思わされました。

 

 愛知県弁護士会は、民間の紛争解決手段である紛争解決センターを運用して多くの申立て実績を上げています。災害が発生したときにも市民の役に立つことができるように、充実した運営に努めたいとおもいます

花
当日に展示された花