トヨタ自動車との和解

トヨタ自動車株式会社 本社 和解 

 2022年1月31日、トヨタ自動車株式会社で勤務していた男性の遺族が、2010年におきた男性の自殺に関して、トヨタ自動車株式会社と訴訟外で和解したことを発表した。

 

 翌日の地元の中日新聞は、そのことを一面トップで大きく報じた。

 

 本当に良かったと思う。ご遺族は11年も戦ってこられた。

 

 労基署は労災と認めず、提訴したものの1審では敗訴であった。

 つい昨年高等裁判所で逆転勝訴するまで10年間、負け続けた。

 心が折れそうになったのではないかと想像する。

 

 新聞報道によると、トヨタ自動車が謝罪し、和解したのは、行政の高裁判決があったからではあるが、それだけではないらしい。

 高裁判決をうけて、会社内で調査し、パワーハラスメントの事実について遺族に伝えたとある。調査の結果も、トヨタ自動車が責任を認めなければならないないようだったのであろう。

 もし、高裁判決が1審判決とおなじように、原告敗訴で終わっていたら、再度の調査もなく、真実がわからないままだったかも知れない。社長が謝ることがなかったかもしれない。

 

  ご遺族と弁護団の諦めないでやり抜いたことが、裁判所を動かし、そしてトヨタを動かしたのだと思う。

 亡くなられた男性の方に謹んで哀悼の意を表したい。そしてその死を教訓に、労働環境の改善がなされようとしていることを信じたい。