2020年もありがとうございました。

宇城翔子 岩井羊一法律事務所
打合せ室の絵 作 宇城翔子

 2020年、無事一年をすごすことができ感謝です。

 昨年の今頃、新型コロナウイルス感染症のなかでこのような生活をすることなど、全く予想していませんでした。

 

 弁護士会の会議をzoomでやったり、裁判の手続きをteamsで行ったりするなどということは予想もできませんでした。

 

 そのように、いろいろなやり方は変わりましたが、大変な中で、弁護士の業務は、なんとか行えました。今後もコロナウイルスの影響が続くと不安ですが、大変な方がたくさんいるなかで、こうやって仕事が続けられることは感謝です。

 また、コロナウイルスの影響で困っている方に、弁護士としてできることを対応していきたいと思います。

 

 今年は、過労死の事件で、12月に損害賠償請求訴訟と行政訴訟で、勝訴判決をえることができたことが印象に大きく残りました。

 

 損害賠償請求訴訟の事件は、発生から13年、損害賠償請求の訴訟を起こしてからも4年が経過していました。この事件が確定しました。ご遺族はご高齢で、解決がながびくのは大変だったと思います。控訴されなかったことは、判決の内容から当然とはいえ、ほっとしました。多くの方が関心をよせ、支援していただけました。多くの方の協力があったからこそ、このような結論を得ることができたものと思います。

 

 その他にも、いくつかの事件で解決をすることができたこともそれぞれ印象深いです。

 

 一方で、敗訴の事件も複数ありました。また、労災とみとめられず、現在、行政不服手続をしている依頼者の方もいます。そういう意味では、手放しで喜んでばかりはおれません。来年も、良い解決が得られるように励みたいと思います。

 

 過労死防止の活動として、高校生に啓発授業に行きました。これから社会に出る学生の皆さんに、よりよい情報を提供していこうと思います。

 

 過労死防止の啓発シンポジウムにも参加しましした。

 元依頼者の方の訴えをあらあめて聞きました。おつれあいが亡くなってからもうずいぶん立ちますし、裁判が勝訴で終わってからもしばらくたっています。けれどもこの方の残念な気持ち、無念な気持ち、つれあいを自死に追い込んだ会社に対する怒り、労災と認めずに裁判になったこと、その裁判で徹底的に争っていた国の態度等についての怒りをお持ちになっていました。

 

 弁護士としては勝訴を得て上手くいった事件、という印象を持っていましたが、それで安心してはいけないと思います。一度起こってしまったことの大きさを、改めて感じました。亡くなった方は帰ってきません。救済の前に予防が大切です。

 これからも、多くの人に伝えていきたいです。