厚生労働省が、2017年度の過労死等の労災認定の件数を発表しました。
「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されているものをさしています。
厚生労働省は次のように発表しています。
脳・心臓疾患について
(1)請求件数は840件で、前年度比15件の増となった。
(2)支給決定件数は253件で前年度比7件の減となり、うち死亡件数は前年度比15件減の92件であった。
ちなみに請求件数が多かったのは2006年の938件
認定件数が多かったのは2007年の392件
死亡の認定件数が多かったのは2002年の160件
です。
これと比較すると今年は、若干減っているように思えます。
ただ、ここ3年請求件数は増え続け、認定件数も若干減っている程度です。
昨年は死亡件数が100人を下回りましたが、それでも92件が過労死と認定されています。
厚生労働省は
精神障害について
(1)請求件数は1,732件で前年度比146件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比23件増の221件であった。
(2)支給決定件数は506件で前年度比8件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比14件増の98件であった。
と発表しています。
請求件数 過去最高
認定件数 過去最高
自殺の件数 2014年の99件についで2番目
こちらは深刻な状況です。
過労死等防止法ができ
電通の事件等で問題が指摘され、
このような中で、労災認定件数が増えている。請求件数も増えている。自殺者も多い。
異常な事態です。
発表には職種別、年齢別など興味深い分析もあります。
より一層過労死等防止のための活動に取り組まなければと考えさせられました。
上記は、厚生労働省のホームページで発表されている過労死等の請求件数、認定件数、そのうちの死亡件数を私の方で打ち込んでまとめたものです。
精神障害についての労災の認定請求の数数、認定件数が急速に増えている様子が分かります。
死亡件数は、精神障害が徐々に増えています。脳・心臓疾患は少し減っていて、今は脳・心臓疾患と精神障害がおなじくらいになっています。
精神障害の「勢い」を止めないと大変です。