過労死、過労自殺、過労による脳・心臓疾患、過労による精神疾患、これらを労災として請求されている件数、労災として認定されている件数について、毎年厚生労働省が公表しています。毎年6月に公表されているので、現在わかる最も新しい統計はのは2015年、平成27年の分です。
全国で脳・心臓疾患の請求件数は795 件で、前年度比32 件の増。そのうち死亡についての請求件数は283件。支給決定件数は251件で前年度比26件の減となり、うち死亡件数も 前年度比25 件減の96件。
また、全国で精神疾患の請求件数は 1,515 件で、前年度比59 件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比14件減の199件。支給決定件数は 472 件で前年度比25 件の減となり、うち未遂を含む自殺の件数も前年度比6件減の93件。
認定件数が少し減っています。これがいい傾向なのかどうかはわかりません。過労死等の労災の認定基準は厳しく、いろいろな事情で労災請求が遅かったり、を断念している人もいます。請求から認定までに時間がかかります。すこし長い目で見ていかないと増えた、減ったと判断することはできないと思います。
厚生労働省は、都道府県毎の労災請求数、認定数を公表しています。
私の住んでいる愛知県はどうでしょうか。
脳・心臓疾患 請求件数 42件 うち死亡17件
認定件数 20件 うち死亡10件
精神疾患 請求件数 67件 うち自殺10件
認定件数 10件 うち自殺2件
脳・心臓疾患死の認定件数は全国とくらべると多く、自殺の認定件数が少ないのが特徴です。
ちなみに、全国の平成27年の自殺者数は 24025人
愛知県の自殺者数は 1301人
(出典:内閣府自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課 )
また、日本の人口は、平成29年4月1日現在(概算値)】<総人口> 1億2679万人
愛知県の平成29年3月1日現在の愛知県の人口(推計)は、7,509,709人
人口から考えると、愛知県は、日本全体の5%、1/20 です。
もっとも、これだけ認定の母数が少ないと、多い少ないと論評することはできないのかもしれません。
自殺者が年間3万人をきって、減ってきているのはよいことですが、それでも愛知県下でも1301人もの人が自殺でなくなっています。
警察の調べでは愛知県の自殺者のうち167名は、勤務問題だそうです。
そのうちの10人しか労災請求せず、認められたのは2名しかないというのは少なすぎるのではないでしょうか。
(自殺した年、労災認定請求した年、認定、不支給認定された日はずれていますから、上記表現は正確ではないことをお許しください。)