原爆症裁判判決

原爆 名古屋 ノーモアヒバクシャ
入廷前の様子

本日、名古屋地方裁判所において原爆症認定訴訟の判決がありました。

この裁判は、原爆により白内障や癌になった場合には、法律により援助が受けられるのに、国が原爆の影響がないとして援助を認めなかったことに対し、国の処分の取り消しを求めた裁判です。
名古屋地裁は、4名の原告の内の2名について、原告の請求を認めました。しかし2名について認めませんでした。
国は、4名のうち3名について被爆が原因ではないと争っていました。この点、裁判所は4名とも被爆が原因で病気になったと認めました。
しかし、裁判所は、2名については、要医療性がないとして請求を棄却しました。
裁判所は、経過観察が必要というだけでは、法律の要件である要医療性が認められない、だから法律の援助は受けられないとしたのです。
判決は、遠距離で被爆した方、遠距離で被爆し、その後爆心地に入った入市被爆者にも、放射線起因性を認めたことは重要です。国の被爆者への対応が間違っていることをはっきりさせました。
しかし、要医療性を、必要以上に厳しく絞っており、不当です。
そもそも、このような裁判を繰り返すことが大変な作業です。
法改正による抜本的な改革が必要です。
記者会見には多くの記者が集まりました。地元のテレビも各社が揃いました。
その中で原告が改めて当時の原爆が落ちたときの悲惨な状況を語りました。ニュースや新聞報道では紙面や時間の都合で報道はされません。けれども、現場の記者の方は、その話を聞いて、受け止めて、写真を撮り、映像を記録し、記事にしてくださったと思います。
裁判を通じて原爆の悲惨さが改めて伝えられた事は良かったと思いました。大きく報道されることを期待します。
原告が、今日で終わりにしたいと思っていたがこのままでは終われないと語ってたことが印象的です。
私たち弁護団も原告のためにいっそう頑張ることを決意しています。