「げ」と「ひ」

ひまわり
ひまわり

 民事裁判の判決も法廷で言い渡すことになっています。しかし、判決の言い渡しをうけるときというのはそれほど多いわけではありません。判決に当事者が立ち会う義務がないことから、言い渡しの後に裁判所に取りに行ったり、裁判所から送ってもらっりして判決を知ることになります。

 

 しかし、重要な事件については、判決に立ち会うことがあります。

 この場合、裁判官が判決の主文を法廷で読み上げます。

 1審の判決の原告であれば、裁判官が「げ」と言い始めたらその瞬間原告敗訴であることが分かります。「原告の請求を棄却する。」このような主文になることが分かるからです。

 

 一方、「ひ」で始まるときには、少なくとも原告は少しは勝訴していることになります。被告にとっては敗訴です。たとえば「被告は、原告に対し・・」と続くことになるからです。ただ、この場合金額などを聞かないと、本当に原告側の勝訴かどうか分かりません。巨額を請求していたのにわずかな金額しか認められなければ、実際には敗訴に等しいという評価になるからです。

 

 過労死事件では、原則として判決に立ち会うことにしています。この場合、私はいつも原告側出判決を聞きます。敗訴の場合には「げ」で始まることは同じです。

 

 敗訴の場合には、判決を読んでどの部分の主張、立証が足らなかったか確認します。判決は、弁護士の訴訟活動の通信簿みたいなところもあり、いつもどきどきします。