裁判員裁判の意義

  裁判員裁判で有罪になった事件が控訴審で無罪になった事案が報道された。


  だから素人の裁判はいけないのか?

  そんなことはない。裁判員制度になって明らかに裁判は変わった。良くなった。

 殺意のない危険な行為について、起訴されることが少なくなったし、強盗とはいえない軽微な怪我を負わせただけの窃盗事件については、強盗致傷では起訴されず、窃盗事件で起訴されるようになった。

 検察官は、重大事件かどうかを慎重に見極めるようになった。

 責任能力に問題のある事案についても、検察官は簡易鑑定の結果だけを見て起訴していた。しかし、裁判員裁判になってからは起訴前の正式鑑定をすることが多くなった。そして、責任能力に大きな問題があるものは起訴しなくなった。
 
 要するにより適正な起訴がなされるようになった。これだけでも裁判員裁判の意味はある。
 たった1つの事例をもとに、感想的な意見を述べるような報道は辞めてもらいたいと思う。

 ※少なくなったというのは筆者の主観であり、客観的データに基づくものではありません。