3月28日土曜日、岐阜市の岐阜ハートフルスクエアGで、「健康で働くための東海セミナーin岐阜」が開催されました。
愛知、岐阜、三重、静岡の団体が共同で開催したものです。
愛知県にはNPO法人の愛知いのちと健康をまもるセンター、静岡県には静岡県安全健康センターがあります。岐阜、三重にはそのような組織はありませんが、組合などで過労死、過労自殺などに取り組んでいる労働組合の組合員などが参加しました。
みなさん、過労死、過労自殺などの裁判の支援の他、職場の労働安全衛生を守らせるための活動をしています。
冒頭、岐阜市の職員の過労自殺で行政裁判をしている伊藤左紀子さんの特別報告がありました。
伊藤さんの裁判は、岐阜地方裁判所で係属中です。
それに引き続き私が「過労死等防止対策推進法制定の意議と実効性を考える」と題した講演をしました。
さらに、引き続いて、岐阜県教職員組合の組合員から、学校の先生の長時間労働を削減する、について報告がありました。
「週間激務」という架空の週刊誌記事が表紙に載った組合員ニュースで、組合員に啓発しているとのことでした。
岐阜では組合だけでなく、岐阜県の教育委員会も長時間労働対策に取り組み始めていることの報告がありました。学校の先生の長時間労働等による過労自殺は、訴訟や、公務災害認定の例も各地で報告されています。取り組みがさらに進むように期待しています。
午後からは、岐阜大学医学部付属病院精神神経科准教授の植木啓文先生に「パワハラ、過労自殺を引き起こすメンタルヘルス問題」と題してご講演をいただきました。
植木啓文先生は、労災の認定実務にも詳しく、また産業医の経験も豊富におありでしたので、極めて実務的なお話しをいただき,大変参考になりました。
植木啓文先生は、精神疾患の労災認定基準を、労災の予防のためにも役立てるべきだ。出来事の具体的一覧表のストレス強度が「中」のような出来事があれば中止しなければならないし、「強」に当たるような出来事があればすぐに対処しなければならない。対処については「心理的負荷の総合評価の視点」に書かれたことが重視されなければならないとの意見を披露されました。
職場で、この一覧表にあるような出来事が起こらないようにすること、出来事があったときにすぐに対応することを各強が心がければ、精神疾患の発症を防ぐことができるのですから有効だと考えられます。
そのあと、三重、愛知、静岡から、各県の労働安全衛生の運動の報告を受けました。
各地の報告をうけて、それぞれ連帯の大切さを感じました。
岐阜県教職員組合の封筒
「仲間が倒れる前に声を上げよう!」
悲痛な叫びですね。
先生。倒れないでください。