愛知県弁護士会は、紛争解決センターを設置しています。
「身近なトラブルお気軽に。」
そんなキャッチフレーズで、愛知県弁護士会が設置している話し合いで紛争を解決する機関です。平成9年4月に開設し、好評をいただいています。 当事者で話し合ったがまとまらない、しかし裁判までやるのはどうも。そんなトラブルを弁護士や各分野の専門家が間に入って話し合いを中心に解決する制度です。
裁判との違いは、まずは、早く、柔軟に、解決できるということです。裁判では、どうしても、裁判官に有利に考えてもらうために、慎重にお互いの主張をのべるので、どうしても時間がかかりがちです。紛争解決センターでは、双方の言い分をはじめからきいて、解決を探っていくので、ずばり紛争の争点に立ち入って解決をはかれるメリットがあります。
つぎに、柔軟にというのは、たとえば、建築紛争などでは、早い段階で弁護士や建築士が現地へ赴くことも多く、現地で争点を整理することによって早期解決に導くことも可能です。
さらに、手続は簡単です。申立書には、法律的な説明や、きちんと計算した上で「金○○○円の支払を求める」などと記載しなくても、「適切な解決を求める」という書き方で構いません。
間に入るのは、弁護士です。経験のある弁護士が間に入って柔軟な解決をはかるために努力します。
愛知県弁護士会の紛争解決センターは、申立件数は全国の紛争解決センターを運営している弁護士会の中でもトップクラス。弁護士からも、市民からも信頼を得ています。
私も、あっせん・仲裁人に選任されております。
紛争解決センターの費用や詳しい手続きは、
をご確認ください。書式もあります。
弁護士に委任して申し立てることもできます。弁護士に委任しなくてもできることを目指しているのですが、弁護士に委任して申し立てるとより紛争解決に近づけるのではないかというのが、私の実感です。
私は、弁護士会の副会長の時に、この運営の担当をし、現在は、弁護士会の紛争解決センター運営委員会の副委員長の一人となっています。また、あっせん・仲裁人の候補者となり、実際に事件を担当させていただくことがあります。
もちろん、弁護士として、一方の代理人として紛争解決センターを利用させていただいたこともあります。相手が全く応じてくれない場合は難しい場合もあるのですが、お互いに紛争を解決したいという気持ちがあれば、この手続きはおすすめです。意地を張って、裁判まで持ち込まれても、最終的に落ち着く先が同じであれば、早いほうがいいと考えるからです。
ただ、過労死事案だと、因果関係の存否や、過失の有無といった法律問題が大きな争点になってしまうので、なかなか利用しにくいことがあります。