労働法長期講座で講師をしました。

 10月3日、公益財団法人愛知県労働協会が主催する労働法長期講座で講師としてお話しさせていただきました。

 テーマは、「労働災害について」副題は「過労死・精神障害をめぐる使用者の安全配慮義務等について」

http://ailabor.or.jp/guide/124.html

 約2時間の講義ですが、申し込まれた方には熱心に聞いていただきました。

 今回特に紹介したのは、電通事件とマツヤデンキ事件など。

 電通事件は、過労自殺を有名にした事件で、この事件の最高裁判決は、現在も安全配慮義務について参考にすべき裁判例です。

 マツヤデンキ事件は、私も弁護団の一員だったわけですが、最近の実務家向けの裁判例を紹介する書籍のいくつかに紹介されています。誰を基準に業務の過重性を考えるのかという問題について解説しました。障害者として雇用された方が、その障害が原因でなくなった場合には、本人を基準にするという判決です。

 過労死、過労自殺は、判例の積み重ねにより、労災の認定基準が策定されています。すくなくとも、この認定基準に当てはまるような職場ではいけないことを理解していただけたらと思います。

 今回の受講がどれほど役に立ったのかわかりませんが、もし、労働の現場にいるかたが参考にし、過労死、過労自殺の起こらないように役に立てていただけたら幸いです。

 私も、お話ししてる中で、うまく伝えられたか自信のない部分もあり、いろいろ反省をする点もありました。

 機会を与えていただいた愛知県労働協会様、受講された受講生の皆様に感謝します。