会社や、個人事業主から解雇されたときには、できる限り速やかに相談しましょう。
労働契約法第16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。解雇が無効になる可能性があります。
懲戒解雇された、という場合もあります。しかし、労働契約法第15条は「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定めています。懲戒解雇は無効になる可能性があります。
ただし、あきらめて不服申立の手続が遅れると、解雇を承認していたと理解されて、後日取返しがつかないことになります。また、そのような理解はできないとしても、実際問題として復職が困難になります。
すぐに相談しましょう。相談先としては、労働基準監督署、労働委員会、地域の労働組合、そして弁護士などが考えられます。
「解雇するぞ」といわれた場合には、まだ、「解雇」ではありません。あるいは、自分から辞表を出すように迫られるときがあります。この場合、解雇されたわけではありませんから断ることができます。
すぐに応じるのではなく、退職を迫られた事情をメモして、関係機関に相談をすることが大切です。
相談先としては、労働基準監督署、労働委員会、地域の労働組合、そして弁護士などが考えられます。
解雇されたときには、労働組合に新たに加入したり、あるいはすでに労働組合に加入している場合には、所属労働組合が、会社、使用者に団体交渉を申し入れ、直接交渉で不当解雇撤回を求めることが考えられます。
使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むことは、「不当労働行為」にあたり、違法です。
1人でも加入できる地域労働組合に加入し、交渉することが早期解決につながる可能性があります。
団体交渉で解決できればそれにこしたことはありません。直接交渉による迅速な解決。これは、弁護士を依頼した交渉よりもスピードと、妥当な解決ができる場合があります。また、その後も職場で問題があったときには団交により直接話し合いをすることができます。
労働組合に加入するのですから、組合費を支払う必要があります。しかし、弁護士費用比べれば、それほど高額ではないのが一般的ではないでしょうか。
労働組合に加入していない、あるいは職場に労働組合がない、職場の労働組合が相談に乗ってくれない、そんな場合にも1人でも加入できる労働組合が各地域にあります。あきらめずに相談してはどうでしょうか。
○代理人として交渉できるのが弁護士。
弁護士は、相談を受ければ、相談者の立場に立って法律的な説明をすることができます。さらに、依頼をすれば、依頼者の代理人として交渉に当たることができます。
これが、労働基準監督署や労働委員会に相談する場合との違いです。
○ 裁判を見据えた交渉ができる。
団体交渉で解決できればそれにこしたことはありません。直接交渉による迅速な解決。これは、弁護士を依頼した交渉ではないほどのスピードと、現場の労働組合ならではの高い水準の解決のみならず、その後も職場で問題があったときには団交により直接話し合いをすることができます。
しかし、労働組合から団交の申し入れをしても、誠意を持って応じてもらえない場合もあります。この場合には、裁判しかないでしょう。
また、労働組合に入っていない、労働組合に相談することがためらわれる、そんな方もおられるでしょう。
解雇された場合、弁護士に相談し、代理人になるように依頼することをお考えになってはどうでしょうか。
弁護士の相談
↓
弁護士に依頼
↓
直ちに解雇撤回を求める旨の連絡(内容証明郵便)
↓
交 渉
↓
解雇撤回の合意
↓
復 職
弁護士に相談いただき、交渉を依頼すると、弁護士は、早期に相手方に受任したことの連絡をするのが通常でしょう。解雇の撤回と、従業員の地位に基づいて、解雇といわれてから、現在までに賃金も支払えといいます。
これに対し、会社側が話し合いに応じると回答すれば、さらに交渉することになります。
そして、職場復帰の合意をする。
これが、理想的な解決です。
これに対し、裁判になってしまうケースは
弁護士の相談
↓
弁護士に依頼
↓
直ちに解雇撤回を求める旨の連絡(内容証明郵便等による通知)
↓
使用者が解雇撤回を拒否。話合いを拒否。
とここまでしても、使用者側が、職場復帰を認めない。解雇自体が有効であるといって一歩も引かない姿勢を見せる。
そうなると、裁判しかなくなってしまいます。
このとき、職場復帰を断念し、一定の金銭を支払いを求めて交渉し、話し合いがまとめることもあります。
現実的にどのような解決がよいか、依頼者の方とよく話し合って決めることになります。
解雇に至るやりとりは重要です。解雇されたときは、「その理由を書面で書いてください。」といって書面を求めましょう。
労働基準法第22条は、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」と定めています。
弁護士に相談する場合には、その書面に加え、給与明細、源泉徴収票、会社の就業規則、給与規程などを持参していただくとスムーズです。
解雇について、仕事が原因であれば、手持ちの資料なども有効です。ただし、会社の資料を勝手に持ち出すことは問題があり、新たに懲戒などの問題が生じます。
労働審判という制度が始まり、裁判の選択肢が広まりました。
労働審判にするのか、裁判にするのかは内容や希望する解決によって判断します。
事実を証拠に基づき判断します。
対立が激しい場合には、証拠調べにより裁判所が判断するので、結論には強い効力があります。
解雇が許せないから時間がかかっても絶対に職場復帰したいという場合や、争点が多数あって、詳細な説明をしなければならない場合などは、裁判を選ぶことになります。
解雇などで判決が先になると、職場での仕事の感覚も鈍りますし、それまでの生活に困ります。そこで、仮に地位を定める処分を出しもらい、仮に従業員として働き続け一艇の賃金を払ってもらう制度です。
もっとも、通常、裁判所は、職場での混乱をさけるために、仮処分では仮の地位認めず、賃金のみの支払い義務を認める場合が多いようです。
労働審判か、裁判かは、より早い解決をめざすのか、より適正な解決を目指すのかによる違いといえるかもしれません。
弁護士と相談して手続を考えましょう。
解雇事件の場合も、基準は一般の民事事件と同様です。
しかしながら解雇事件の場合には、職場復帰を目ざすことになるところ、職場復帰の経済的利益は一概に決めることができません。
そこで、解雇を争う労働事件の場合の着手金について当事務所では、
30万円(消費税別)
を標準額にしています。
報酬は、職場復帰できた後、仕事ができる期間を考え、その期間の収入について、民事の基準を元に計算します。
解雇された場合には収入がなくなりますので、法テラスの資力用件の基準を満たす可能性があります。その場合には、法律相談については法テラスの制度を利用した無料法律相談が利用できます。また、着手金、報酬については法テラスの立替制度を利用できる可能性があります。弁護士に相談してみてください。